長男が工事区間の「分倍河原」に行くこととなったのだった。行きは18時30分前だが、帰りが、ちょうど、18時30分過ぎとなってしまうらしい。わざわざ、昨日、日程を変更してこの有様だから、本当、愚かである。
当の長男はのんきなもので、「JRの回数券でモノレールが乗れる~♪」と喜んでいる。京王線で分倍河原から高幡不動まで行き、そこから、多摩モノレールで立川南まで出て、立川から国分寺に帰ってくるという振替輸送である。
そう、長男は変なルートで電車やバスに乗るのが好きなのである。青春18切符を使って、国分寺から京都に行くこともあった。東海道本線でも行っているし、中央本線でも行っている。
私と京都に行った際も、「各駅停車で帰る!」と言って困らせたものである。仕方なく、「各駅停車(こだま)」で帰った記憶がよみがえる。
幼稚園時代の長男とは、資格試験がない休日に、よく電車に乗っていた。首都圏の8割程度は乗っただろうか?JR目黒駅までバスで行ってJR渋谷から帰る。そのわずか2駅で済むはずの乗車区間は、実は、山手線、京葉線、武蔵野線、川越線、八高線、中央線と言った複数の路線を経由し、何十もの駅を経ていることが多かった。自閉症的傾向にあった長男に、少しでも社会の刺激を与えるため、長男の興味のあるものに付き合っていたのである。
その影響からか、今では健常者と同じ生活をしている長男だが、どのようなところからも帰ってこられるという特技を身に付けることができた。一方、次男は逆に、どのようなところからも帰ってこられないという特技?を与えられることとなる。
すぐそこに見えている駅にすら行くことができない。あるいは、自宅から一番近い電車の駅がいえない。とはいえ、最近、ようやく独りで新宿までいけるようになったのだが、最初は家内と一緒に行って訓練した結果、行けるようになったに過ぎない。
まあ、いろいろあるのが個性であり、たとえ時間がかかっても、それを認めてやることが親というものだと思っている。