「雪の日に読む小説特集」
3冊目は、 にいがた(新潟)県から・もう1つ
みやおとみこ(宮尾登美子)の『蔵』を、取り上げます
明治・大正・昭和を生きた、はかなくも 力強い
女たち
その生きざまを 記しつづけた
宮尾作品は、
多くの女性ファンに、支持
、
クリンたちのような、
する・ファンさえ
生み出しました
そんな、カリスマ女流作家
の
作品で、
トップ3に入る人気をほこるであろう
小説『蔵』。
それは、
にいがた(新潟)県の くらもと(蔵元=酒造業者)の家に
くらす女たちの
生きざま
を、
雪げしき(景色)に散らした 名作です。
主人公は、くらもと(蔵元)の
あととり(跡取り)娘、烈(れつ)。
目をわずらい、
やがて失明しますが、
小説は、
彼女の単なる苦労話では おわりません
娘を心配しすぎるがあまり、
仕事で大きなミスをおかしてしまう、父・章造(しょうぞう)
に はじまり、
その章造に 嫁いで来て、
子どもを8人も(早流・死産・夭折で)亡くした、美人妻かほ(賀穂)
を 描き、
そのかほをかわいがり、孫・烈のため、巡礼に出て、たおれた姑・むら
を 描き、
「かほの死後は後妻に」と周りから認められていたのに、章造に再婚し
を 描き、
章造の後妻に入り、針のむしろのじごく(地獄)を味わう、もと芸妓・せき
を 描いた、
つまりは、生のかなしみを 描いた、長編です
1つの家族ながら、さまざまな立場の女
を 描き分けているため、
読者は・・、自分にいちばん近い女に よりそい(寄り添い)、
彼女たちに
かぶさってく
雪のような・運命の重み
を
ともに かんじながら、読んでいきます。。 うちのチットは、この中で、烈の叔母・さほが
いちばん好きだ、と言います。
「器量十人並み」だけど、
けんしん(献身)的に
姪の烈を 支え
でも、心寄せる・章造の後妻に なれず、
17歳のもと芸妓に 後妻の座をうばわれる
その
さびしさ・・
しかし
その後・・
「蔵」が ダメになりかけ
章造が 病気になるや
かけつけて、世話をする
その やさしさ
そこに
女性としての 本しつ(質)を、かんじる
と
いうのです
(※すっごい蛇足なのですが、うちのチットは「さほ(佐穂)タイプ」ではありません←そんなこと言わなくてもいいことなんですけど、「
これじゃ、私が佐穂と一緒で器量十人並だと思われるじゃない
何とかしてよ
」と、うるさいので・・
)
そんなチットですが・・「
雪国の女って、けなげだよね
美しさの中に、
生命力を感じる。
それに、、
この本を 読んでいると、
とっても 日本酒が飲みたくなるの
蔵人によるお酒づくりのシーン
が
たくさん出てくるからだね」
と、
よろこんでいました
久しぶりに味わった・日本酒は、作品のおかげで
とても美味しかった みたいです
【おすすめ度:そうとう(相当)
】
(次回、「雪の日に読む小説」は、遠田潤子の『雪の鉄樹』を ご紹介します)