クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

雪の日に読む小説・10(『残りの雪』立原正秋)

2021-01-25 | 本と雑誌

はかりしれない・女性の心理

を つづった

雪の小説に、

 立原正秋の『残りの雪』

と 

いうのがあるので、

今日は、それを とりあげます


 たちはらまさあき(立原正秋)
は、

女性に人気のあった、昭和の流行作家

ことに、

男と女の性(さが)を書かせりゃ、みんながうなった

手練れ

ですが、、


 内容が生々しすぎるから、クリンは読んじゃダメ
「あっ

と、

取り上げられてしまいました

 今回、ご紹介するのは、

ダブルフリン(不倫)小説、なのです

 



・・・・・

あらすじは、

しん(親)友・チットに 

きいてありますので

 

きょうみ(興味)のある方は、

小説のぶたい(舞台)となった「北鎌倉」の映ぞうとともに 、

以下を

お読みくださいませ


 主人公は、29さいの美人妻

ある日、突然 夫に蒸発されます。


夫は、
真面目で優しい・常識人でしたが、

一流大学卒→一流企業の社員→しかるべき良家の娘との結婚→一児の父

という、

親がしいたレールに乗りつづけている・自分に対して

破壊願望が つのってしまい

別の女に 走りました。

 胸のデカイ・浮気相手

昼間からもつれあう、トロトロの日々、、

しかし、結局は

(一時の気の迷いに過ぎなかったのかも、、)

と ばかりに

その後、

二人目、三人目・・と 女をつくります。

そんな、

ちがう世界に とんでいってしまった夫の

「流転の日々」が

小説の、まず一つ目のじく(軸)です。


そこに加えて

去られた側の妻の、

さびしい心が よろめいた「婚外恋愛

というのが、

物語の、二大じく(軸)と なっています


 妻の不倫相手は、44歳の

会社社長

二人は ズブズブの関係になり・・

互いに、

(この人なしでは生きていけないかも)と 

思いつめながらも、

結局は

じょうよく(情欲)にのみ、狂います。


 そして、さいごは、お定まりの、

しゅらば(修羅場)・・

 

つらく、

出口の見えないラストに つながっていくのですが・・

 

 

物語には、

北かまくら(鎌倉)の 

お寺や、竹林、花木の

しっとりとした・ふぜい(風情)が

要所・要所に 描かれるため

全体の「生臭さ」は 救われていました

 

しん(親)友・チットいわく、


立原正秋って、心の描きかたが 上手だね

語彙が豊富で、表現に倦むことがない。

すごいわ

ただ、、

『俺ほど、女の心とカラダのわかっている男はいない

っていう、

作者自身の押し出しの強さに 嫌悪感が走ってしまう・・

70年代の作品だから 仕方ないけど、

もろ・男尊女卑だしね。。

 清楚で貞淑な人妻が、

年上男の手で 花ひらいてゆく・・

その描写が 

ねちっこくて、

途中から、官能小説みたいに なっていくの

 

ベッドの中の二人の会話が・・

『女になったようだね』『こんなこと、はじめてです。・・私怖い』

だって

ヤダあ~

・・・・・」


と、

もてあましていました。。



あとがきの「解題」を 読んで、

「あれ

と、

なにやら フ(腑)におちた ようす。。


・・ねえ この作品、

昭和48年の、

日本経済新聞の連載小説📰だったらしい

どうりで、

愛ルケ(『愛の流刑地』渡辺淳一)に似てると思ったよ

 

登場人物が・・、男も女も気持ち悪い。

愛に対して、真剣じゃない。。」

と 

かってに きずつきながらも・・

しん(親)友・チットが

2日間で 450ページを、だだだ・・と 

読んでしまったのは、

 

70年代のビジネスマンたちを、朝から ヘンな気分にさせていた

「日経新聞のお家芸

に 

してやられたから なのでした。

 

 


おすすめ度:まあまあ

 

 

(次回の「雪の日に読む小説」は、その日経連載の情愛小説の本家、渡辺淳一の『阿寒に果つ』、いきます


コメント (16)
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