「雪の日に読む小説特集・第6弾」
は、
もうひとつ
ふく(複)数人が、一ヶ所に とじこめられる
ミステリーを ご紹介します。
それは・・
『ある閉ざされた雪の山荘で』。(東野圭吾)
アガサ=クリスティばりに
あるあるな設定で 描かれる
殺人事件は、
「娯楽なサスペンスとして楽しめるはず。」
そう、期待しました さて・・、タイトルは
「雪の山荘で」と なっていますが、
じっさいのところ
雪はふっていません
近くには バス停もあり
、電話もつながる
、
いつでも・SOSできる
閉ざされていない空間(ペンション)
が
この「山荘」です。
そこには、8人の男女が 集められるのですが・・
この人たちは
今度いっしょに お芝居に出る仲間
で、
「演出家の先生」の 指示に従い、
けいこ(稽古)合宿に 来ています
8人は、「山荘で雪の日に殺人事件が起きるという芝居の、
登場人物になったつもりで行動しろ。」
と
命じられ、
「演出家の先生
」のきたい(期待)に
こたえようと
自分なりの役作りに はげみます
が、
そのうち・・
一人、二人、、と
仲間のだれかが、ペンションから 姿を 消していき。。
(・・あれ
これ、もしかして、本当に殺されてるんじゃないの
)
と
おびえはじめる
そんなお話。
<感想>
ネタばらしで
「三重構造の犯罪」を うたっているわりには
ありきたりな 筋立てで、
(え
まさか、これで終わる気
)
と、
ひがしの(東野圭吾)さんにしては
うすっぺらいのに びっくりしますが・・
しらべてみると、
この作品が
世に出された時期、
(まだ大ブレーク前ですが)やはり東野さんは
いくつかの作品を 同時並行で 手がけていて、、
(忙しくても、このレベルの小説を
どしどし「量産」できるからこそ
流行作家の地位を きずけるんだよな)
なんて、
かんしんしました
だって・・
作品は、とてもかろやかに 書かれていて、
東野さんがしんぎん(呻吟)したようすが
見られないんです
「 王道の古典的ミステリーを書くのに、いちいち疲れてなんかいられない。」
という、
作家の小手先すら・かんじる、
読んでいても
つかれない・雪のサスペンスでした。
(エッセイで、ご本人、
"高校生のころまで、江戸川乱歩を知らなかった”
と、
おっしゃっているそうですが、
そういう人が、こういう作品を 書くようになるなんて、おもしろいですね)
【おすすめ度:(ほかの東野作品にくらべると・・)すこし・・
】
(次回は『かさこじぞう(笠地蔵)』です
。「雪の日に読む小説」ではなくて、昔話ですが・・ 大好きなので、入れちゃいますね
)