「男と女のドロドロ愛憎劇も、雪の白さが浄化してくれる
」
と いえば
そうなの
お口直しに、
もうちょっと、清々しい「北海道の雪小説」を ご紹介します。
佐々木丸美『雪の断章』です。
(とってもピュアな愛の物語です)
主人公は、孤児の「あすか(飛鳥)」ちゃん
。
ようけ(養家)で いじめられていましたが、
ひろやさんに 出会い、
引き取られることに なりました ひろやさんは、若く・モテモテの商社マン
ですが、
周囲の反対を押しき
(やさしい人なのです)
物語は、
5さい(歳)の飛鳥ちゃんが 女子大生になるまでの成長と、
ひろやさんとの、
二人の周辺事情、
といった ところですが・・
そこに一つ
殺人事件という
スリリングが はさまります
かんそう(感想)としては、
とても、おもしろかったです
作者は、「ヒューマニズムの正統なる後継者
」といえる
心(精神の軸)が あって、
主ちょう(張)も、
後味も、
ともに 快かったですし
また、
表現の点で、うならせる・うでを 持っていました。 作者・佐々木丸美さん
は、とう(登)場人物の
言葉を借りて、
「人たるもの、かく生きるべきか」
を
つねに、読者に 問うていましたし、
そこには、
彼女が
生きてきて・きずき上げたのであろう
かっこ(確固)たる考えも
ていじ(提示)されていました・・
すなわち
相手を傷つけてはいけない。
人は、思いやりが大切。
という、
人間関係の 約束事が、です。
ぶたい(舞台)が「札幌」と
いうだけあって、
物語の ところどころに
雪が ふるのですが
佐々木さんが
あたたかいので、
雪の温度も、高めに かんじました。
あたたかな雪が ま(舞)っているのを
見たい方は、
ぜひ、お読みになって み
【おすすめ度:焼きとうきびの粒ぐらい
】
(※ただし、恋愛小説という点では、なかなか自分の気持ちを明らかにしない二人 よもや作者さん、片想い経験豊富か
)
(次回「雪の日に読む小説」は、石川啄木の『雪中行』をとりあげて、啄木の短歌をご紹介します
)