冷たい雪の重みに、じっと耐えているのは
女ばかりではない
男も、耐えている
いや
男の耐えかたのほうが、キツイ
と
突きつけてくる小説が あります
『雪の鉄樹』(遠田潤子)です
「鉄樹(てつじゅ)」というのは
ソテツのことで、
主人公は
ズドーンと そびえ立つ・ソテツのように
動かしがたい、
ガンコイッテツ(頑固一徹)な にわし(庭師)。
とある事件の「加害者の関係者」
なのですが、
「被害者の遺族」に
つくして
つくして
つくして
むげにされる
あわれな 男です・・
この庭師 自らがつみを
犯したわけでは ないのです
が
「被害者遺族」の 生活の面どう(倒)まで 見ています
(・・・それって、なんで)
と、
りかい(理解)できない・読者を
タネ明かしに向かって、ひた走らせる
そんな 小説です。
テーマが「贖罪」のため、
内容は
だいぶ・重いのですが
作家さんが 引っぱり上手なので
ラク~に 読んでしまえる
作者(の遠田さん)は、
実に
「米粒に、般若心経を書く」くらいの
細かさで
心の動きを したためています
だからこそ 読者も、つい
根気よく、
主人公が そうぐう(遭遇)する理不尽な事件
や、
自ら招いている・くつじょく(屈辱)
に
いっしょになって 耐えてしまうのです。。
みなさま、、主人公が「庭師」と
きいて、
おじいちゃんを イメージしていませんか
どうしてどうして、、
まだ、30そこそこの
青年です
そんな人が、ハタチ(二十歳)からの
十数年間
青春全部を
つみ(罪)のつぐないに ささげ
息苦しい・毎日を
生きてきたのには、
どういう「原罪」が あるのか
追及していくと、、そこに「彼の家族の物語」
が 立ち上がります
(あらすじは、ここまで)
みなさまも・・ 学校や会社などで これまでに
一人くらいは、
周囲と交わらない人
みんなから はみ出してる人
に
出会って来ていると 思いますが・・
そんな、
周囲から ごかい(誤解)され、
後ろ指を さされがちな人が、
実は 実生活において、
とてつもなく苦しいものに がんじがらめにされている
・・・
そういう 可能性に、
気づかせてくれる、本でした。
※かんよう(寛容)な方は もちろん
生きるのに失敗している人に
対して、
「不寛容」な方に、
ぜひ、オススメしたい本です🐻
この主人公、本当にがんこ(頑固)で、、
Aの道を行くべきところを
Bに行くタイプだから、
かなり・イライラさせられるんですけども、、
そういうのに ガマンして
つきあってあげる
のも、
いいと思うんですよね、たまには!
【オススメ度:なかなか】
(次回、「雪の日に読む小説」は、辻村深月の『冷たい校舎の時は止まる』です こわい本ですよ)