去年のことですが。
拾ったばかりの子猫たちを
Kがかわるがわるつまみあげては、
「ぷーぷーぷーぷー」とやっています。
「何してるの?」と聞くと、真顔で答えるのでした。
「こうやって毛の間に空気を吹き込んでやるといいんだよ」
…それって、もしかして、ラッコの毛づくろい、なのでは?
毎日ぷーぷーしてもらったおかげで、
子猫たちは毛づやもよく、たいそう大きく成長しました。
そのKが、近頃しきりとぼやくのです。
「凡人ばっかりでつまらん。変人がひとりもいないんだよー」
小さな町の小さな学校で、保守的というのかおとなしい生徒が多く、
それはそれで気楽でいいじゃないかと思うんだけど、
生意気盛りにはスパイスが足りない、ということらしいです。
まあ、君のおとうさんも、世間一般の常識からは
ちょっとずれてるような人だしね。
君も半分猫に育てられたような子だしね。
「類は友を呼ぶ」っていうから、あわてなくても、そのうちに
変なお友だちはたくさんできるよ。
…そんな話をひとしきりしたあとで、
「でも、わたしは変人じゃないよねえ。
思いっきり普通の人でしょう?」
そう言ったら、KとMが声をそろえて
「えええええーっ?」と言うではありませんか。
あらあ? そう思ってるのは本人だけか?
桜さん、リンクありがとうございます。
あずき色の朝顔、わたしも好きです。