閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

文房具の話

2006-08-20 09:03:49 | 日々

文房具っていう言葉そのものが、もう古いらしいです。
いまは…ステーショナリー?
子どもたちはシャープペンやカラーペンをざくざく持っていて
何もかもカラフルで軽くてお菓子のおまけの玩具のよう。

わたしがおはなしを書きはじめたころは、
鳩居堂の原稿箋にモンブランの太い万年筆、
みたいなのが「大人の作家」の象徴でしたっけ。
明治や大正時代の話ではありませんよ。
銀座の伊東屋という老舗の文具店へ行くと、
学生には手の出ない高級品がたくさんあって、
奥のほうには「執事」みたいな年配の店員さんがいたりして、
うーんと悩んだ挙句に舶来のレターペーパーを
そおっと手にとって、どきどき、しました。

大学の入学祝にもらったプラチナの万年筆。
濃紺にキラキラとこまかい金の散った細身のそれに、
「ミルキーウェイ」と名前をつけて長く使っていました。
ライフのB5の横書き用原稿用紙に、縦書き。
「木苺通信」を書いていたころの、お気に入りだったな。
ライフの原稿用紙は、売っている店が近所になくて、
書き損じるともったいなかったから、
気をつけて気をつけて1字ずつ書きました。

ワープロを使い始めたのが、13年くらい前。
産業革命、ですね。
パソコンに乗り換えたのが、いつだろう、8年くらい前?
もう話題はせいぜい、WindowsかMacか、っていう程度。
文房具の話ができなくなって、寂しい。

コメント
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