水が帝都の街路を
ちゅろちゅろと流れていきます
右に目を遣れば
鳩が目を見開いて
今にも
飛び立とうとしています
砂漠の絶望を
彼らは何ともなく
殲滅させようとしています
一つ残らず
ただ照り付ける太陽が
僕らには
とても眩し過ぎて
徐に間違いをしでかすような
気がしてならないのです
. . . 本文を読む
夜が驚く
夜鴉の啼く声がする
日々の扉を開け放って
静かな夢遊を体験する
閉じた夜の空間のなかで
たった今浮かび上がった
日々の妄想が
僕の額を伝って
枕へ流れ落ちる
それは絶対零度以下である
緊張をさせてはいけないね
夜風に震える君を抱いては
何気ない囁きに耳を澄ます
扉を閉めたら何が消えよう?
躓きの果てに何時かの物語を思い出す . . . 本文を読む
まあるい時を超え
意味が集って踊ってる
世界の終焉のベルの音が
夜霧に覆われた港を震わすように
鳴っている
僕にはそれが
あまりに甘く
そして切なく
苦しみの始源から
溢れ出す
世界の感傷から
漏れ出た
合図なんだと
心得た . . . 本文を読む
無駄が幅を利かせる
この浮世で
深い祈りも
悲しい希望も
ただ崖のそばで
落下しそうな
恐怖を覚える
不確かなもの
叫んだところで
涙は溢れるばかりで
それが
海へ落ちていこうとも
とくに変わらぬ
未来が来るばかり
本能が暴れ出すのは当然のことで
垂直に落下する僕の欲望は
いつの時代も
暗黒を破滅させるように
鮮やかに
日々を反転させる . . . 本文を読む
細密な記憶を辿った
今宵の僕は
ただ溶けるほどの
甘い蜜を
貪る
怠惰な羊
風を受けて
戦慄く僕らは
きっと
春にも咲かないサクラみたいに
不条理を叫ぶ獣
楽な人生など
なかったと
でも
これはこれで
満足のいくものだったと
いつか
言えるもんだろうか?
夜が明けるとき
僕は何気なく欠伸をし
手を伸ばし
僕を包み込む大気に
天地創造の端緒を観る . . . 本文を読む
詩なんて一生書くもんか
乱れる呼吸に
暴れる文字の
妄りな放蕩ぶりに
いっつも腹を立ててる
怒り顔の僕らも
消え去っていく
アサッテの方へ
どうにもならない妄想を
並べ立てて
陳列して
お好きなものからお食べよ、なんて
恥ずかしくって
顔に泥を塗られても言いたくないね . . . 本文を読む
全ての真実を
射抜くための
矢は手元に揃っている
明日を拓く
その両手で
微かな希望の煙の行先を掴み取れ
日々は希望を
振り撒くことを辞めず
僕は
僕であることを辞めず
でもいつかは
僕は解体され
他の物質と混ざり合わされ
再構築される運命と決まっている
その日までの
この道程を
じっくり味わい尽くそう . . . 本文を読む
正しさと夜の合間
お前よ
常に打算と思惑で
この世が回ると思うなよ
時が語るのは
過去と、ほんの少しばかりの今であり
未来は、いつも前触れもなく来訪する
人の子らは
いつも無限の今を漂わされているのであり
秘密の在り処を探す運命を背負わされ
千里の道を行く者と思し召されん者べし . . . 本文を読む
努力は
あなたが「楽」ばかりを選ばないことを
強いるものだ
そんな努力を
「楽し」むことこそ、僕らが選べる最良の道だ。
進む道は、イバラの道だろう。だが、それを「笑っ」て歩むことこそ、
僕らの正しい生き方である。 . . . 本文を読む