結果
人が死ぬことだって
不確かだ
彼女は風になっているかもしれず
霊魂は
またこの地にふたたび
降り立ってくるかもしれず
星が語る
夜の静寂を
亡者たちの
静かな笑みと
すすり泣きを
地にばらまくように
人は死ぬ
いずれ
誰もが
経験すること
今はしなくていいだけ
それが早いか、遅いか
たったそれだけ
君は笑う
「宇宙」の終わりも
いずれ、来 . . . 本文を読む
僕を
此処まで運んで来てくれた
僕の身体を
大いに讃えたい
本当の「愛」の姿なんて
簡単には見えそうにないけど
他でもないこの僕の精神が
宇宙の愛の子供そのものだったんだとも
気付いた季節
誰もが
何かしらの不安とともに
生きているけど
僕は
この僕の身体と僕の精神が
齎してくれている
「今」というものに
心の底から
感謝して
生きていきたい . . . 本文を読む
詩人は自らの命を削らなければいけない
その紙に自らの意志を刻み付ける瞬間に
息も絶え絶えになりながら
枯れ果てていく昔日の栄光を想い
現在という空しい季節に
どんな彩色も施すことも出来ずに
無様に藻掻くのも詩人であって
人々の泡のように儚い期待に応えるが為に
自らの生命を賭して
純粋な澄んだ青い炎へと成り果てようと望むのも
また詩人であり
勇気ある決断によって . . . 本文を読む
曲がってゆく僕の身体
PCの魔力で擦り減っていく
僕の体力
あの頃の僕は
暗い一人ぼっちの部屋で
数え切れぬ程
大切な宝物を
仮想世界の中へ
落としてきてしまったようだ
更には
過剰に煌めくスクリーンにも目を奪われ
日常の平穏な幸せをも
見つけ出すことすらできなくなってしまった
僕は
遂には曲がった
快楽を得るということの代償として
それとももし . . . 本文を読む
毎日は
ほんとうに
僕が恥をかくために
やってくるかのようなんだ
だって
僕はほんの少しの優しささえ
分け与えられない愚者だから
或いは
言葉のナイフをちらつかせ
人を戦かせ、人を駆り立てることさえ
怖くて出来ない臆病者だからだ
そういう日々を
毎日 繰り返し
僕は何でもない
軽い懊悩を抱く
何時かこのトンネルをも
抜け出すことができるだろうか?
僕 . . . 本文を読む
言葉と
世界は
パラレルな関係にある
しかもそれらは
どちらも球体の上を走っているので
地球に置き換えて言えば
北極点や南極点で
いずれ接触することになる
言葉は
世界を表す記号としても
その役割を果たすが
世界が
言葉のシステムを規定するとも
言えるのだろう
言葉と
世界が
出会うとき
それは
私たちの意識が
ある巨大な意志と結合するときだ . . . 本文を読む
円卓の上で
今
真白の液体が
垂れ落ちようとしている
夕暮れの悲哀を震わすように
現の群れに
独り善がりな思想を
染み渡らせて
遠い過去の遺物に
手榴弾を投げつける
それですべてが
解決するはずだった
だが現実は
そう甘くはなかった
ヒカリの透けるシルクのレースが
まるで僕の欲望を
宇宙の暗黒の中で
優しく包んで匿うかのように
太陽風に靡いては
秘かに . . . 本文を読む
朝起きて
僕は神に
祈りを捧げる
僕らが今「生きてい」るという
不可思議さに勝る謎は無い
僕らは
怪しいものには
Critical thinkingで
立ち向かうのが望ましいが
もう
解けない謎に関しては
只々平伏すしかない
そして
例え面倒でも何気なく
洗濯物を干すしかない . . . 本文を読む
滅びた地上に
虚ろな目をした青年が
ひとり佇んでいる
衰えた痴情に
微かに反応する
過去から連綿と受け継がれてきている
少年の青臭い情動
無力ゆえに萎んだ慕情にも
あえかに感応する
かつては燃え盛っていた
赤信号の亡骸たちの不甲斐無さと言ったら……
「終わり」の日を超えて
今また立ち現れる確かな現実
今 青年へと相成った彼は
その目の前の現実さえ、「夢」か「 . . . 本文を読む