朝5時過ぎに目が覚めました。
薄っすら明けてきた外を「コウモリは帰宅中かな?」と眺めると、いました何匹も。5分としない内に30匹以上確認できました。西の方に向かっています。前の日の日没後、ちょうど同じぐらいの暗さの頃に食事のために飛び立ちます。我が家では西から東の方角へ飛んで行き、その逆に帰って行くのが確認できます。餌場は山の方のようです。飛び立つその場所は、だいたい民家の屋根裏からです。古い民家だと屋根裏に入り込める穴がいくらでもあるようで、驚くぐらいの数が飛び出してきます。
コウモリが民家の屋根裏を住み家にしているのを知ったのは、もう15年より前の事でしょうか。或るお客様から、「屋根裏のコウモリを捕まえてくれ」との依頼を受けたことがきっかけです。
「えっ!? コウモリが屋根裏に居るんですか?」と尋ねると、
「おる、おる。5,6匹はおるとよ。屋根裏ば飛びよるけん、薄暗くなるくらいに来てみんね。網ば持ってきて」
日没後、訪問すると「どらどら、外ば見てみようか。」と玄関先の道路へ出て「ほら、ほら」と指さされる近隣のお宅の軒先方向をみると確かに何やら飛びだしています。燕のような飛び方ではなく、蝶のような羽ばたきでもない、足して割ったような飛び方とでもいうか、クリっ、クリっと方向を上下左右に変えながら。
「あっ。ほんとですねぇ。結構たくさんおっとですね」
そして、2階に上がり押入れの天袋に有る点検口から頭を入れて懐中電灯を点けると目の前を何匹も飛んでいるではないですか。一瞬怯みました。なにせ初めてのこと。コウモリを捕まえたことなんてないんですから。網を振り回しますがうまくかわされて捕まえられません。そのうちどこか隠れてしまいました。こうなると近場によってご対面するしかありません。屋根裏に上がり込んで低姿勢で辺りを照らすと、ちょっとした隙間に身を潜めています。私の小指ほどの幅に入り込んいます。さすがに素手では引っ張り出す勇気が有りません。網で上から押さえつつ指で突きだしました。この方法で結局5匹は捕まえたんじゃないでしょうか。1匹捕まえてはそのまま網ごとお客さんに渡して窓から逃がして。その内2匹を買い物袋に入れて会社に持ち帰りました。
会社を出る時に「コウモリば捕まえに行って来ます」と言ったらみんな「ホントに?!」と事務所のみんなも疑っていたので証拠品として持ち帰りました。
さすがにみんなも驚いていましたが、開けてみる者は誰一人としておらず、結局、仕事を終えて自宅まで持ち帰り庭先で釈放しました。
後日、日没後にコウモリが出て行ったあとに疑わしい穴を塞ぐ処理をしましたが、効果があったかどうかは確認せずじまいでした。
意外と皆さん飛んでるのに気が付いていないんです。同居していることは尚更。
我が家では、その時間帯に外にいる時はみんな空を見上げ「おった!!」と叫んでます。
同居しているかも知れないことは教えてますが、あまり気にしてないようです。