先回のブログで、故玩館の竹藪と坂道が、中山道美江寺宿を描いた広重の浮世絵のキーワードであることをのべました。
このうち、急坂は、道路改良によって失われました。
もう一つのキーワード、故玩館裏の竹藪は、何百年も同じ形を保ち続けてきました。
しかし、環境は大きく変わりました。かつて無数にあった野池やクリークはほとんどなくなり、出水時でも数日すれば、故玩館の周りからは水が引きます。あれほど頻繁にあった濃霧も、ここ5数年間に一度もみられません。土地全体が乾燥してきたのです。
竹は、水のあるところまでしか繁殖しません。竹根の伸びは水際で止まります。ところが、乾燥化がすすんで、ここ数年、竹がものすごい勢いで増えだしたのです。必死でくい止めてきたのですが、もはや体力の限界にきました。
やむを得ず、業者に伐採してもらうことにしました。
半分ほど伐採が終わったところ。
3日間で、撤去完了。
風景は一変しました。
中山道側(南)から見て、奥に繁っていた竹藪は・・・
もうありません。
かつては、こんな風情も。
このような景色も、
今となっては、再び見ることはないでしょう。
十五年前、一大決心をして、ほとんど朽ちかけていた母屋を大改修した理由の一つが、この竹藪でした。
今となっては、幻の竹藪です。