先回のブログで、別府細工の芯入れ、芯切を紹介しました。
別府細工の燭台などについては、あらためてブログアップします。
ところで、普通の燭台はなかったか・・・と探したところ、隅の隅にころがっていたのがこの品です。
幅 14.0㎝、長 26.2㎝、高 13.1㎝。江戸後期ー明治時代。
手燭台とよばれる移動式の燭台です。柄が付いていて、手で持ち歩けるようになっています。
家にあった物ですが、茶事に使われた物か、普段使いの品だったのか、わかりません。
火皿には蝋がこびりついています。また、蝋燭受の輪が歪んでいます。相当使い込まれています。ご先祖様のどなたが使っていたのでしょう。
裏を見ると、剥がれかかった漆が残っています。
柄の部分は漆が擦り切れています。
元々は、黒漆が塗られていたようです。利休形の手燭台は、真塗りにするのだそうですから、この手燭は、茶事用だったのですね。しかも、歪んだ蝋燭受といい、手ずれの漆塗りといい、相当に使いこまれた品であることがわかります。毎日のように茶会を催さないと、ここまでボロボロにはならないでしょう。
故玩館を大改修した時、待庵かと見紛うボロボロの茶室の修復まではとても手(金(^^;)が回らず、きれいさっぱり撤去しました。一方、故玩館の床をとり除いてみると、すべての部屋に炉をきった跡がありました。多くの古民家改修を手掛けてきた設計士ですが、この家は何だったのでしょうね、と首をかしげていました(^^;
何代か前のご先祖にも、遊びをせむとや生まれけむ、の人がいたのですね(^.^)