ここしばらく、市松模様の品物をブログで紹介してきました。
で、最初のブログで感じた、市松模様への一抹の不安が解消されたかというと、実は、ますます混迷を深めているのであります(^^;
先回の箱根無垢寄木細工市松ボウルです。
大きい方のボウルをじっと眺めてみると・・・
ソロバン玉が並んでいるように見えます。
ところが、45度回転すると・・・・
立派な市松模様です。
小さい方のボウルでも、
同じです。
これは一体どうしたことだ!!??
ということで、市松模様について調べてみました。
日本では、似たような模様は古代からあって、石畳や霰(あられ)などと呼ばれていたそうです。そして、江戸中期、歌舞伎役者の佐野川市松が、紺と白が交互に並んだ袴をはいて舞台に上がり、大変な人気を博しました。以来、市松模様は日本の代表的模様の一つとなりました。
これは、現在、普通に市松とよばれている模様です。四角のマス目が黒白交互にずーっと連続しています。私たちの頭にも、このパターンが市松としてきざみ込まれています。
しかし、佐野川市松の袴も、元々は紺と白だったわけですから、色や濃淡などの違いをいかせば、いろいろな市松模様が可能となります。
たとえば、赤と緑。
カラーと白。
濃金と薄金。
最後の金色市松は、ぼんやりしています。
どうやら、市松模様は、隣り合ったマス目のコントラストがポイントのようです。黒白のようにはっきりとしていれば、しっかりとした市松模様に見えます。その分、単調で味わいに欠け、場合によっては、品がない感じになります。写真の金色市松など、コントラストが弱い場合はその逆です。
では、このブログで紹介してきた品物はどうでしょうか。
市松模様脚付板盛器:
黒が濃、金と銀が淡として、交互に配置されています。しかし、淡が金と銀の2種類あるので、通常の市松模様とは少し異なる感じがします。
箱根無垢寄木細工市松ボウル:
4種類の色木を組み合わせています。濃茶、エビ茶、茶(写真では黄色に見える)、薄茶(写真では白に見える)。
確かに、濃淡のコントラストが上下左右にずっと連続しています。しかし、濃淡の組合せが、濃茶ー薄白、濃茶ー茶、エビ茶ー白、エビ茶ー薄茶の4通りあり、それらが複雑に配置されています。ですから、単純な市松模様に較べて、味わいがでてきます。
最初に私が感じたいちまつの不安とは、典型的な市松模様から外れた、このような品に対して漠然といだいた感覚だったのですね(^.^)
じゃあ、最初の写真のように、方向によって市松模様が見えたり、見えなくなるのはなぜ?
イルージョンやだまし絵の本は、マジック関係の物と一緒にほとんど処分しました。が、たまたま残っていた物があったので、片っ端からページをめくってみました。
そして、たどり着いた結論!
「人は、まっすぐに見た時の形を、物の形として認識する」
これでは、
何の絵かわかりませんが・・・
180度回転させれば、
壷と二つの顔があらわれて、ルビンの壷になります(^.^)
市松模様の場合、私たちの頭には、濃淡の四角形が縦横(垂直と水平)に規則正しく並んだものが市松として入っています。そして、そのような角度、方向で模様を見た時、市松!と感じるわけです。
でも、練り込み手市松紋湯呑茶碗は、
45度回さなくても、市松紋に見えます。
これは、濃茶―白の組合せだけでできていて、しかも濃淡のコントラストが強いので、自分の頭の中で45度回転させて、市松模様と認識していることになります。
ところが、市松模様脚付板盛器や箱根無垢寄木細工市松ボウルは、濃淡の組合せが複雑なので、市松模様と認識できる角度が限られてくるのです。私たちの頭は、正面から見る形を優先させ、ある角度ではソロバン玉に、四角マスが縦横揃った角度では市松模様に見えることになると考えられます。
市松模様のマス目を見過ぎて、頭がグラグラしてきました(^^;
気分を変えて、別の無垢寄木細工コースター(6枚)(^.^)
いくつかの寄木パーツを組み合わせ、接着してあります。先回ブログの品とは異なり、削ってありません。組み合わせた、そのままの物です。裏表は同じ模様。
つい、ジグソーパズルのように遊んでしまいます(^^;
本来のコースターとして、一服。
市松模様でこんがらがった頭をほぐしました(^.^)
>自分の頭の中で45度回転させて
ああ~~そういうことってありますね。
でも2枚目の写真は頭の中を45度回転させても!ダイヤ柄のように見えてしまいます。頭が固いのでしょうか(;^_^A
私の昔のコートに白黒の織?編?のものがあります。市松でも矢絣でもなく上品でしたので購入でした。
今は軽いコートの方が良くて使わないのですが、お高かったこともあって処分できないでいます。
寄木のコースターも素敵ですね。
でも、規則性の低い誘導模様の市松なら、むしろ洒落ています。ゆりさんのコートが上品なのはそのためだと思います。
今年の冬は寒いです。ぜひ、羽織ってください。
「日本では、似たような模様は古代からあって、石畳や霰(あられ)などと呼ばれていたそうです。そして、江戸中期、歌舞伎役者の佐野川市松が、紺と白が交互に並んだ袴をはいて舞台に上がり、大変な人気を博しました。以来、市松模様は日本の代表的模様の一つとなりました。」
ということでしたか。
今では、これに類似したような文様を見ても、「自分の頭の中で45度回転させて、市松模様と認識している」わけですね。それに、そのように見る先入観のようなものも働いて、市松文様と見てしまうのですね。
骨董も、基本的パターンが頭に入っていないとモノが見えないし、かといってその枠内だけではツマラナイし、難しいです(^.^)