ここしばらく、高麗、李朝の陶磁器を紹介してきました。手持ちの品を端から取り上げているのですが、お茶の茶碗が多いことに気が付きました。高麗、李朝の陶磁器は、日本の茶道と深い関係にあるのですね。
私自身は全くお茶には縁遠いので、意識して品物を集めたことはありません。ただ、江戸後期の御先祖様には相当入れ込んだ人がいたようで、故玩館を改修する時、畳や床板をとりのぞくと、ほとんどの部屋の床に炉をきった跡が残っていたと設計士が言っていました(工事現場には、私も入れない(^^;)。
その頃から150年以上も経つのですから、めぼしい茶道具など残っているはずもありません。故玩館改修時には、物置になっていた茶室(利休の待庵を模した)も撤去しました(修復の予算が無い(^^;)。
で、今回の品は茶籠セットです。まあ、こんなのが一個あってもいいか、といつもの骨董屋で入手しました。
この地方では少し名の知れた女性作家の持っていた物です。前田青邨の絵なども一緒に出たのですが、そんな物に手が届くはずもなく、分相応の品、2,3点を家に連れて帰りました(^.^)
箱の蓋を開けるのは、浦島太郎の気分です(^.^)
入っていたのはこれだけ。
一番大きな品は・・・・
径 10.4㎝、高台径 5.9㎝、高 6.5㎝。高麗時代。
高麗青磁の茶碗です。
発掘品で、全体にカセています。
口縁には、控えめに白象嵌が施されています。
茶籠の底に敷かれていた和更紗とのマッチングも上々。
これは使えそうな品ですね。
高麗の器で、小服茶碗になりそうな大きさの物は意外と少ないので、大事に育てることにしましょう。
次の品は・・・
呉須赤絵の合子です。
径 6.8㎝、高台径 3.8㎝、高 4.3㎝。近代。
蓋裏に布が貼ってあります。
香合用だと思います。
胎土やくっついた砂の様子などから、この品は、明末の呉須手ではなく、近年、京都あたりで焼かれた呉須赤絵写しだと思われます。
次の品は・・
染付の小壺です。
振り出しでしょう。馬がかわいいです。
径 5.4㎝、口径 2.1㎝、底径 3.7㎝、高 5.6㎝。17-19世紀。
小さな品ですが、胴継ぎの跡がみられます。
こういう品は、従来、タイやベトナムなど東南アジアで焼かれたとされてきましたが、最近では、中国南部、民窯で作られたと言われることが多くなりました。
机の上に置いておいて、時々、掌の上で転がしてやることにしましょう(^.^)
この品は、茶巾筒でしょう。
径 3.3㎝、底径 2.6㎝、高4.3㎝。近代。
備前焼のように見えますが、はっきりとした産地は不明です。
結局、茶箱の中に入っていた陶磁器は、4点。
おっと、忘れていました。
空の仕覆が一個、残されていました。大きさからすると、棗用でしょうか。
結局、主だった所では、棗、茶杓、茶筅、茶入れが欠品でした。燃やされたのでしょうか(^^;
おっと、今回の隠れた主役、茶籠を忘れていました。
こういう竹細工には疎いですが、なかなかの品と見ました。
値段の半分は、茶籠代だと思えば、それなりに納得(^.^)
内側には布が貼られています。
一部が、虫に喰われています。
拡大してみると・・・
男が必死で追いかけているのは、ガラクタ骨董?(^.^)
まだ、しっかりしていますし、使えそうですものね。
棗、茶杓、茶筅を加えれば、1セットになるんですね。
是非、これらを追加してセットにしてやってください(^-^*)
野点籠ともいうくらいですから、春か秋の良い日に、
緋毛氈でもひいてお茶をたてたら、優雅な気分に浸れるでしょうね。
そのためには、まず、道具を揃えねばなりません(^^;