先回のブログで、江戸のキワモノ、りんの玉を紹介しました。
平和が長く続いた江戸時代も後期になると、この方面の事柄に広く興味がもたれるようになり、各種書物が出されるようになりました。
今回の品は、房中術を説いた本で、庶民向け性の指南書というべき物です。
雑多な和書の間に挟まっていて、焚書坑儒を免れました(^^;
かいつまんで、全体の三分の一ほどを載せます。
goo倫に抵触するといけないので、現代語訳は各自でお願いします。
15.0㎝x25.6㎝、17丁。江戸後期
『好色指南抄 全』とありますが、前編、後編のうちの後編です。
張形について:
張形の作り方:
湯陰酒茎の説:
美人三十二相説:
女悦の薬を即座に製法:
こういう類の本は、今では、ありそうでありません。
かつてベストセラーになった謝国権『性生活の知恵』(古い(^^;)くらいでしょうか。
実効性はともかく、この小冊子には、いろんなテクニックが満載されています。特に、薬の処方は、非常に沢山あって驚きます。赤ひげ薬局さんも真っ青でしょう。
また、「間合の張形を製傳」で、「張形といふものはした銭にて買るゝものにあらねば。下女婢の手にハ入がたし。」と書かれていて、当時、このような品物はかなり値の張った物であったことがわかります。さらに、それを手作りする方法を指南しているなど、今回の品は、一般庶民向けに書かれたものと言えるでしょう。
当時の人々の生活を知る、文化を知るための貴重な資料ですよね。
ただ、残念ながら、現代語訳がないとサッパリ分かりません(><) 猫に小判というところです(~_~;)
ずいぶん昔、英語が上達したければ英米人の恋人をつくれ、と言われましたね。それと同じことで、古文をマスターしたければ、この手の文書を読めでしょう。欲すれば得られる・・骨董と同じ!?(^.^)