やはり祖父の遺した花道具の一つ、志野焼の大花瓶です。
口径 10.3cm、最大径 18.2㎝、底径 11.3㎝、高 33.0㎝。明治~大正。
志野焼の大きな花瓶です。美濃窯の品と思われます。
ウチにある花瓶の中ではそれほどの大きさではないですが、志野の器としては最大級でしょう。
轆轤目の効いた器に、分厚く長石釉が掛かっていて、一部は雪崩のようになっています。
器内部も長石釉。
釉下には大きな竹が描かれています。
志野特有の半透明釉薬を通して、竹葉がぼやっと浮かび上がります。また、所どころに緋色が出ています。
反対側には、椿と思われる植物が描かれています。
志野焼ですから、これだけで十分に鑑賞に堪えますが、口径が小さいのでなんとかなるのでは・・思いきって花を入れてみました(^.^)
志野としては大きいですね!
ゆったりとした轆轤目には分厚くたっぷりと長石釉が掛かり、その一部は雪崩落ちていますね。
志野特有の白い半透明の釉薬の裏からは、竹や椿がぼやっと浮かび上がりますね。
さながら、雪景色を見るようです!
こうなりますと、これは花器なのに、もう、この器だけで十分で、花は必要なくなりますね。花器として使うのが難しくなりますね。
ところが、御祖父様は、これを、花器として使いこなしていたのですね!
遅生さんも、そのお孫さんだけあって、花器として蘇らせましたね(^_^) 血筋は争えませんね(^-^*)
我々には、桃山の志野はおいそれとは手に入らないし、現代の作家物は作意がありすぎて本来のナチュラルな味わいに欠けます。
今回の品はちょうどその中間、期せずしていろいろな志野の特徴が出ています。
次回、陶磁器としてもう少し詳しく見てみます。
風景があります・・・・・私流の表現でわからないでしょう(笑)
これを使いこなしていらしたおじい様はすごいですね。
志野の色合いと釉のかかり具合が名品ですね。
最近の私は、活けるというより、お花を突っ込んでいます。目の保養をさせていただきました。
どれも上手いのですが、何か整いすぎていて、「おうおうとした」感じがしないのです(^^;
今回の品は、おそらく、当時の職人がざざっと作ったのでしょう。釉薬の掛け残し(はじき)などいっぱいありますが、そんなものをものともしない勢いがありますね。
あじさいの種類を始めてみました。名前は分かりますか?
あじさいも含めて、花の名については、まるでダメです。Unknown (^^;
長石釉を通して見えるぼんやりとした絵付けには
「もののあわれ」みたいなものを感じます。
この大きな花瓶にはそんな志野の魅力がつまっているように感じます。
銘「卯花筒」なんてのはいかがでしょうか?
しっかりと眺めたのは、今回が初めてです(^^;
見直しをしてやらないと、バチがあたりそうですね(^.^)
今回、じっくりと眺めて、志野の志野たる由縁を、ブログで探りたいと思います。