銅蟲細工の菓子皿です。
23.3㎝x 22.9㎝、 高さ(手込み) 3.1(12.7)㎝
銅蟲は、広島の特産工芸品です。その起源は、江戸中期にまで遡ります。
銅板を、槌で叩いて成形し、花瓶や皿に仕立て上げたもので、細かな装飾や象嵌もなされることが多いです。最大の特徴は、色つやです。稲藁で燻すことによって付けられた黒茶色の銅肌は、布で空拭きを繰り返してやると、深い味わいの玉虫色光沢へと変わっていきます。
中央に、椿が銀象嵌されています。
周囲や取っ手には、飾り金具がついています。
なぜか、裏側の方が、表側よりピカピカです。
銅板を槌で叩き出した跡がはっきり表れています。
銅蟲は、いくつかの作家(工房)が製造しています。江山名の品もその一つです。
この品はさほど古い物ではないでしょう。戦前くらいの品ですが、なかなかの古格が出ています。
銅蟲には、花瓶や菓子器など、実用的な品が多く、価格も手頃なので、手軽にレトロな雰囲気を楽しむには、格好の品だと思います(^.^)
稲藁で燻して付けられた黒茶色の渋い銅肌に、これまた、渋い銀象嵌が施されているんですね。
わびさびを求める茶道具に合いそうですね。
気の遠くなるような回数の槌跡を見るのも鑑賞の一つなのでしょうか、、、。
そのため、裏側の方が、表側よりもピカピカなのでしょうか、、、(笑)。
漆の器と一緒で、本当は、こまめに空拭きをしてやるんだそうですが、放りっぱなしではこんなところです。そのためか、時代不相応な古色がついています(^.^)
さりげなく棚の上などに置いておくと、たいていの人は、「おおっ」と感心してくれます。
コスパの良い骨董です(^\^)
錆びていたら見逃すだろう工芸品、改めてその価値を知りました。
今は、こういう物はあまり流行らないので、ある意味、お買い得です(^.^)