遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

青枯病に挑戦 2.野菜の垂直栽培

2022年09月04日 | ものぐさ有機農業

先回のブログで、土の中で悪さをするセンチュウをやっつける捕食菌を増やせば、野菜の根が傷つくことなく、青枯れ病菌におかされ難くなるのではないかと考えました。しかし、結果はおもわしくありませんでした。

青枯病は、青枯病菌によって根がやられます。感染すると、水分や養分を吸収することができなくなり、枯れてしまう訳です。

ならば、野菜の根を丈夫にしたらどうか、との考えがひらめきました。

「そうだ、垂直栽培、やろう」(^.^)

垂直栽培については、昨年度にブログで紹介しました。

垂直栽培では、野菜の苗の段階から、支柱に茎をギュッとしばり付け、垂直の姿勢を保ちます。垂直に保つことによって、生長点で生成した植物ホルモン、オーキシンが下へ移動して根を発達させると同時に、他の植物ホルモンを活性化して、ホルモン全体のバランスを良好に保ち、野菜の成長を促すというものです。

その後、第2第3のレポートをブログにのせました。が、まだ、最終結果については報告していませんでした。そこで、最終報告も兼ねて、垂直栽培の効果、特に、トウガラシ類の結果を今回述べます(昨年度分です)。

垂直に縛る野菜と通常栽培の野菜と二通りの方法で育ててみて、結果を比較しました。

トマト    ◎
ナス     ◎
トウガラシ類 △
ジャガイモ ◯
ニンニク  ◎
大豆      ◎
カボチャ  ×
サツマイモ ×

トマト、ナス、ニンニク、大豆は、樹勢、収量ともに増大。トマト、ナスについては、秋まで生育が続きました。ジャガイモは樹勢強、収穫量はそれほど変わらず。カボチャ、サツマイモは、蔓の伸長に縛る作業が追い付かず、途中で垂直栽培を放棄(^^;

問題は、トウガラシ類です。何年も、青枯病にやられ続けてまともに育ったことがありませんでした。はたして、垂直栽培の効果は?

入れた苗は、万願寺トウガラシ4本、シシトウ4本、ピーマン4本です。それぞれ、半分(2本)を垂直栽培、残りを普通栽培にして、生育の状態を観察しました。

入れた苗は、万願寺トウガラシ4本、シシトウ4本、ピーマン4本です。それぞれ、半分(2本)を垂直栽培、残りを普通栽培にして、生育の状態を観察しました(5月中旬)。
その結果、普通栽培の苗は、植えてからほどなくして(5月中)枯れました。苗を引っぱると、植えた時と同じ状態でスポンと抜けます。根がほとんど張っていません。それに対して、垂直栽培の方は、6月まで成長し、少し実がなった状態で、順次、枯れていきました。7月まで生き残ったのは、シシトウ(京みどり)1本のみでした。
ところが、この1本はどんどん大きくなり、8月末には、160cm、9月には180cmの高さになり、10月末までなり続けました。

中山道脇に1本だけ残ったシシトウの巨木?    (2021年8月30日)

 

生い茂る葉とすずなりのシシトウ。

これだけ大きいので、1本で10本分ほどの実がとれました。

支柱を補強しないと、自分の重みで倒壊。台風が来たら一発でアウトでしょう(^^;

 

垂直栽培の特徴は、成長が長く続く事、野菜の若さがたもたれることです。これは、やはり根が土壌中にしっかりと張っているためでしょう。その結果、1本/12本ではありますが、青枯病菌の攻撃に打ち勝ったのだと思います。

昨年度(2021年)の結果でした(^.^)

 

ps. 先回(先年度分)試みた線虫捕食菌資材は、今回の垂直栽培でも入れてあります。ですから、線虫捕食菌+垂直栽培の結果です。

 


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8 コメント

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遅生さんへ (Dr.K)
2022-09-04 10:25:50
シシトウって、こんなに大きくなるのですか!
このように大きなシシトウは見たことがありません(^-^*)
このように大きければ1本あれば十分ですね(^_^)

なるほど、垂直栽培をすれば、その内の何分の一かは青枯病に打ち勝って、生き残るのですね。
私も、これからは、多くの苗を、垂直栽栽培で植えようと思います(^-^*)
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Dr.kさんへ (遅生)
2022-09-04 12:05:52
やっと一矢報いた、という感じです。
これだけ大きくなると、道を行く人は誰もシシトウとは気づきません(^^; でも、葉と実はまぎれもなくトウガラシ類です。たまにピリッとくるのがありますから(^.^)
垂直栽培の難点は、6月の成長期、よほどこまめに見回らないと、縛るタイミングを失することです。梅雨に入ると毎日のチェックがなかなか(^^;
堆肥の効果でもそうですが、助走期間というか、ある時点から急速に成長が始まります。おそらく、目に見えない地下で根が張っているのでしょうね。

今回は、まぐれヒットかも知れません。
次の課題は、どうやって打率を上げるかです(^.^)
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Unknown (ミルク)
2022-09-04 15:32:28
こんにちは。
トマトは、カラス除けにネットをかける、関係上
支柱を合掌造りにしてますが、その他は垂直栽培です。
ずいぶん色々と、研究されてますね。感心しました。
私はそこまで、やる気もなくて(;^_^A
畑のピーマン、パプリカ全滅でしたが、植木鉢に
ピーマン1本植えたら、元気に実を付けてますよ♪
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素晴らしい成果です。 (highdy)
2022-09-04 16:25:00
ヒトもそうですが、植物もホルモンをうまくコントロールすることで、成長と病虫害に負けない強い体質をつくることができます。
素晴らしい実験成果ですね。
唐がらしとパプリカを近くに植えると、パプリカにピーマンのような味が混ざっています。交配するのかも知れません。
我が家では、赤や黄色のパプリカを色がつき始めた若いうちに収穫して食べます。
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highdyさんへ (遅生)
2022-09-04 17:56:20
こうやっていろいろやってみますが、なかなかうまくいかないですね。
青枯病菌は相当強力です。

それと、1年単位でしか結果が出ないのがもどかしいです。来年、やり方を工夫して、また4回目の挑戦です(今年の分は、次回のブログで)

唐がらしとパプリカを近くに植えると味が混ざるのですか。面白いですね。近縁種だからでしょうか。何か、応用ができそうですね。
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ミルクさんへ (遅生)
2022-09-04 19:39:26
合掌造りですか、いいですね。とても安定していますから、トマトが爆生りしても大丈夫(^.^)
カラスは頭に来ます。食べる気がなくても、つっついてちょっかいを出すのですね。大きな鳥の凧で脅しをすると良いらしいですが、まだやってません。風の無い日はどうしましょう(^^;

いろんな種類のトウガラシ類やってみました。中でも、ピーマン、パプリカはとても弱いですね。私も、植えてすぐにやられてしまいました。

植木鉢はとても良いアイデアですね。園芸用の土なら絶対に青枯病は大丈夫。来年はやってみます。ありがとうございました。
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お見事! (みこと)
2022-09-06 10:20:00
素晴らしいシシトウですね。お見事な戦利品。
これ一本で元が取れそうですが、1種類だけは残念か?

NZにカラスはいませんが、大きな鳥(ワシなど)の凧を高い杭にぶら下げたり、羽を広げた形で軒下などに固定しているのを見ますが、お目目ぱっちりのフクロウの置物もよく見かけます。

効果があるのかどうかはわかりませんが(夜行性ですものね。他の鳥は知っているのか???)、高い杭の上にポツンと固定してあるのを見ます。
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みことさんへ (遅生)
2022-09-06 15:56:23
縛って育てる垂直栽培は、NZでも有効ですからやってみてください。とにかく、樹?勢がすごいです。それと、若々しい状態で長く生きます。人間もそうならうれしいですが(^.^)

NZにはカラスがいませんか。
資源豊かだから、鳥も、そこまでセコセコしなくても十分生きていけますね。
NZの鳥は地味なのに、AUの鳥は派手でですね。大陸が違うからと、どこかで読んだ気がしますが・・・うろ覚え(^^;
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