遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

肥松は透けるトン

2021年09月29日 | 漆器・木製品

これまで、2枚の肥松盆を紹介しました。

柾目と輪切り、それぞれに味があります。

ところで、ずっと以前、何かで読んだことがあります。

「肥松は光を通す」

ええっ、いくらなんでも、そんなバカラ(^^;

小さな盆ですが、板の厚さは、6,7㎜はあります。

木材が光を通すなんて、タケシの怪しい番組でもあるまいし(^^;

 

ダメ元で、裸電球にかざしてみました。

ん?! なんか、赤っぽい。

部屋を暗くしてやると・・・

柾目模様が赤く浮かび上がってくるではありませんか。

じゃあ、もう一つの輪切り盆の方はどうか?

電燈にかざすと・・・・

ほんのわずかに、赤い部分が見られます。タブレット付属のカメラではとらえられません(^^;

もうひとつのポケットカメラで見ると・・・

ボーっと、スケルトンが浮かび上がります。

なぜか青色、神秘の宇宙。

柾目の盆の方は・・・

やっぱり、青い柾目模様。

肥松が透けるメカニズムはよくわかりませんが、おそらく、内部の松脂がだんだん樹脂化して、琥珀のようになるからではないでしょうか。

これでまた一つ、来館者をビックリさせるネタができました(^.^)


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6 コメント

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Unknown (tkgmzt2902)
2021-09-29 10:07:58
すごーい!
こんなワクワクする発見が生きる喜び!
松脂が琥珀化!そのうちに琥珀のお盆になるかも(^-^)/
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思いもよらずでした (ダム)
2021-09-29 18:49:46
透けることを知っていて、当時の職人さんは肥松盆を作ったのでしょうか?
それとも、何かの偶然だったのかしら?
驚きです!
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遅生さんへ (Dr.K)
2021-09-29 21:25:56
ほんと、「肥松は光を通す」んですね!
私も、「おそらく、内部の松脂がだんだん樹脂化して、琥珀のようになるからではないでしょうか」という考察に賛成です。
年とともに、年々、光を通す面積が増えますね(^_^)
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tkgmzt2902さんへ (遅生)
2021-09-29 21:37:45
ま、私が発見したわけではないですから。
でも、意表を突かれますよね。
プチマジックです。相手が驚いて、してやったり😄
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ダムさんへ (遅生)
2021-09-29 21:42:25
少なくとも、江戸の職人は知らなかったと思います。
ろうそくの灯りでは、ちょっと苦しいです。
後代の人でも、知っていたなら、この特性を生かした品を作っても良さそうに思うのですが(^^;
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Dr.Kさんへ (遅生)
2021-09-29 21:49:43
どういう所が光を通しやすいいのか、不明です。
色の濃い部分のような気もするのですが、材の密度も関係しそうです。

年輪の様子を見てみると、40年間ほどは緻密で、厳しい気候だったと思われます。その後、急速に成長しています、気候が変わったのでしょうか。細い枝もその時に生えてきたようです。
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