竹の花生けは一段落しました。
が、花生けの類はまだまだあります。
きりがないので、もう一つの大型花器で一応締めくくります(^^;
46.2㎝x8.9㎝、高 30.0㎝。重 5.2㎏。明治―大正。
奇妙な形をした大きな花器です。
材料は、最初、切株かと思ったのですが、縦方向に走る木の繊維が見えません。年輪もありません。ならば、根か?しかし、根にしては表面がすべすべして滑らかです。材質も、根のように硬くありません。
となると、幹にできた瘤しか考えられません。大きな瘤ができた巨木。見てみたかったですね。
さて、この花器ですが、花を入れる部分が非常に広く、私などがおいそれと挑めるような代物ではありません(^^;
花を活けるかわりに、オブジェとして、造形の面白さを楽しむのならよさそうです(^.^)
それにしても、奇妙な形ですね。
もう一つの愉しみは、見立て。
中央アジアの商人?
反対側に、もう一人潜んでいそう・・・
ローマの騎士?
銅で張った底には・・・
人の善い牛さん?
それとも、人々を救う霊獣、白澤か?
そうですね。
劇でも映画でも、脇役や悪役が決め手ですね。主役を生かすも殺すも脇役次第ですから。
あまり知られてはいませんが、能でも、シテ(主役)が引き立つのは、ワキが上手い(実は難しい)場合です。ワキは重要です。
奇っ怪な形の瘤は、野獣の資格十分ですね。私のような素人活け手が花を挿しても、美女花の魅力を引き出してくれるでしょう。一度トライしてみます(^.^)
野獣は、少し歪な形で美の象徴である生花を引き立てるのです。野獣は醜ければ醜いほど、生花が引き立つから良いのかもしれません。
またはエロスとタナトスの象徴として生花の色を引き立てるのが、かつて命を持っていたこの瘤のある花器かもしれません。
ほんとに大きいです。内側にふわふわの物を敷いてやれば、猫のネグラに丁度良いかも知れません(^^;
どこかの会館の入口にでも置いて豪快に花を活ければ格好良いでしょうね。残念ながら、故玩館にはそれができる人材がいません(^^;
しかも、珍しいものも残っているのですね。
この花生けの材質は、木の幹にできた瘤ですか! ホント、こんな大きな瘤ができた巨木を見てみたかったですね!
私も、このように大きなものに花を活けることなど思いもよりません(><)
「花を活けるかわりに、オブジェとして、造形の面白さを楽しむ」ことしか出来ません(^-^*)
それなら、いろいろと想像をたくましくして楽しめそうですね(^_^)