箱根寄木細工のボウル(菓子器?)です。
大:径 23.3㎝、高 5.0㎝。 小:径 11.3㎝、高 2.9㎝。現代。
同じタイプの木皿(ボウル)が、大1個、小10個あります。
市松模様を中心とした幾何学模様が全面に表れています。
この品は、箱根細工の一種、無垢寄木細工です。
よく知られているように、箱根で江戸時代から続く木工細工です。まず、色の異なる様々な木を組み合わせて接着し、複雑な模様のブロック(種木)を作ります。これを特殊な鉋で削れば、複雑な模様のシート(ズク)ができます。このズクを貼り付けた物が通常の箱根寄木細工です。
それに対して、今回の品は種木ブロック自体を轆轤で削って製品にしたものです。通常の寄木細工をスライスとするならば、これはホールですね(^^;
鉋で削ってシート状のズクにすれば、100枚位は取れますが、無垢で使えば、一個しか作れません。 今回の品のような器形では、全体の四分の三は削りカスに消えています。ゼイタク(^.^)
小さい方のボウルについても全く同じです。
大ボウルも小ボウルも、正方角の細木3種を接着してブロックにした種木を削り出してあります。見込みと裏底は断面方向、側面が長さ方向です。断面には市松模様が、削り出された側面には、複雑な模様が出ています。
ざっと勘定して見ると、大のボウルでは、5㎜四方角で長さ5㎝ほどの色違い細木を約2300本、小ボウルは、長さ3㎝ほどの四方角木を約570本、使用しています。これを一本一本接着していって種木を作るのですね。頭が下がります(^.^)
無垢の寄木細工は戦後生み出され、そのデザインが現代の感覚とマッチして、人気急上昇中のアイテムです。
ところで、こうやってずっと市松模様ボウルの写真を見ていると、同一の品を見ているような感覚にとらわれませんか?
実際は、こんなに大きさが違う二つのボウルです。
市松模様は、不思議な感覚をもたらすのですね(^.^)
模様が現代感覚にマッチしているので、今は、従来の彦根細工よりも、こちらのタイプの方が人気があるようです。
棚の中に入れっぱなしではなんともならないので、これを機に使ってみます。
特にこのような贅沢な品は特別な存在感が感じられます
今から20数年前に箱根の小涌園に行きましたが(ゼミナールに参加するため)
当時はこういった品に興味がなかったことを、今になって後悔しています。
実用になります。
これまでの箱根細工は、あまり実用には向いていなかったので、小々お高くてもこちらの方がコストパフォーマンスは良いかも知れません。
好みによりますが、飽きはきにくいと思います。
これまでの箱根細工とちがって、水でゴシゴシ洗っても、剥がれることはありません。見かけよりずっと丈夫です。
一目ぼれしてしまいました。
一般的に見る柄と違い珍しい寄木法ですね。
手の込んだ、ぜいたくな、一品です。
貧乏性ですから、こんなにふんだんに寄木を使っていいのだろうか、と思いました(^.^)
陶芸の練り込みと一緒ですね。削り出して出る模様が面白いです。
今回の品も、先の漆器と同様、これを市松模様と言っていいかどうか、よくわかりません。その辺のところを、次回に考えてみたいと思います。
このような工法の箱根寄木細工もあるのですね!
材料費コストを考えただけでも、大変なものであることが分りますね(^-^*)
それにしても、市松文様は、いろんなものに使用されているのですね(^-^*)