今回は、飛騨高山の渋草焼です。
幅 12.3㎝x12.3㎝、底 6.7㎝x7.2㎝、高 3.6㎝。大正ー昭和。
それほど古い品ではありませんが、雰囲気があります。
裏底に、「渋草芳国」とあります。渋草焼芳国舎窯の焼物です。
中国風の五彩絵付けが軽妙です。5枚、それぞれわずかに違いがあります。
裏面もキッチリと描かれています。
渋草焼は、天保年間に、飛騨高山の地で、半官半民の焼物として生まれました。当時から、戸田柳造の柳造窯と芳国舎が、主要な渋草焼の窯元であり、この二つは現在まで続いています。磁器、陶器ともに作られ、色絵、染付、青磁、白磁など、多種多様な焼物が渋草焼の特徴です。それだけに、裏銘が無い古い作品を、渋草焼と判断するのは非常に難しいです。
今回の品は、渋草焼の当初から人気のあった南京赤絵風の磁器です。お値段も手頃ですから、気軽に雰囲気のあるテーブルセッティングができます。その点、飛騨高山のもう一つの名産品、春慶塗と似てますね。
飛騨の芝草焼、始めて知りました。久谷の影響はありますでしょうか?
それともオリジナルでしょうか?
陶器のみならず、磁器も焼いていたのですね。
そして、当初は、半官半民の焼物として生まれたのですね。
これも、南京赤絵の雰囲気を十分に宿していますね。
ホント、裏銘がないと、渋草焼と判断するのは非常に難しいですね(~_~;)
実直な品物造りには定評があります。その一方、これが渋草焼という特色は薄いです。
観光地としての有利さもあったのでしょうが、真面目な品物造りも、今まで窯が続いてきた理由の一つだと思います。
完成度は高いです。が、ジーっと眺めていると、どこか素朴で田舎臭い面が感じられて、親しみがわきます(^.^)
Dr.kさんのおっしゃるように南京赤絵の影響が色濃い感じがします
もっとも、時代を考えると柿右衛門や古九谷様式といった伊万里の影響下にあるように思えます。
唐子が犬を連れているというのは、ちょっと独創的な気もします
(凧あげなら柿右衛門にありますが)
お国焼きならではの面白さもあって、魅力的です。
幕末期の物は難しいですが、ちょい古ならお値打ちにゲットできます。
渋草焼、文字通り、渋いです(^.^)
今回の品もそうですが、色絵磁器であっても、オリジナルを越えようとする感じがしません。九谷細描風の品でも、どこか控えめに感じられるのです。
色々な陶磁器を作っていて、個性が薄いなかで、その点が特色かとさえ思われます(^.^)