戦時中のガラス戸滑りです。
金属製の戸車の代用品として作られました。
戦争中、あらゆる面で軍事優先、金属類は武器、兵器の製造に使われ、生活用具には金属がまわされなくなったのです。やむを得ず、木、紙、陶磁器、ガラスなど他の材料が使われるようになりました。
この品は、ガラスでできた戸車の代用品です。陶磁器でできた物もあります。相当量の品が作られたようで、今でも、骨董市などでお目にかかれます。
4種類のガラス製戸滑りです。
左から、木枠付きガラス戸滑り(ウグイス色)小、3.3㎝(ガラス部)5個 ; ガラス戸滑り(青色)大、5㎝、2個; ガラス戸滑り(青色)中、3.9㎝、2個; ガラス戸滑り(濃青)小、3.4㎝、1個
ガラス戸滑り(青色)大、2個です。
両端に、半円上の穴があります。釘で直接とめるためのものでしょうか。
気泡とヌメリ感。やはり、戦前のガラスです。
側面には、模様にも見えるウネリが。
ガラス戸滑り(青色)、中、2個です。
いかにも模様に見えますが、やはり製造時についたものでしょう。
ガラス戸滑り(濃青)小、1個です。
木枠付きガラス戸滑り(ウグイス色)小、5個です。木枠付きの品は少ない。
「特許 伊丹式戸滑器」とあります。
何が特許なのでしょうか?
よーく見ると、ガラスの両側はテーパーになっています。木に台形の切り込みを入れて、ガラス部を嵌め込んであります。
こんな形で使います。ピッチりと嵌め込まれているので、戸が動いても緩むことはありません。
これが特許なんでしょうね。
ガラスだけの戸滑りもよく見ると、全部、両端がテーパーになっています。
木の薄い部分は、2-3㎜の厚さです。切り込みは、かなり精密な仕事がなされています。また、木部の両側には、釘を打つための穴もあけてあります。これなら、ガラスと釘が触れ合わずに、ガラス戸車を戸に取り付けることができます。
家にある古い戸に、この木枠付きガラス戸滑りを取り付けて使ってみました。結構、滑ります。少し油を垂らしてやれば、もっとスムーズに動きます。乱暴に開け閉めしなければ、ガラスが割れることはないようです。
戦争に金属を使われ、やむを得ずガラスで代用した戸車ですが、日本人の創意工夫はこんなところにも生かされていたんですね。
ガラスが色々な道具に使われていた時代ですね。
あまり見かけなくなりました。
持っていないので手に入れたいアイテムですね。
ガラス、とてもキレイで雰囲気がありますね。
その為に考え出されたのが、こうした戸滑りなのですね。
木製の戸滑りは聞いた事が有りますが硝子戸滑りは知りませんでした。
大変、興味深く拝見させて頂きました。
粗悪材料を使っているはずですが、それがかえって良いのかも。いわば、ガラスの下手ウマ(^_^;)
私も、このガラス、きれいだと思います。今なら、気泡入り、バリ入りの不良品ではねられる品です。それが妙にやさしい感じになりますね。
それから、ガラスの色も何とも言えない味と深みがあって、きれいです。
物資の不足からガラスの利用となったのですね。それでも金属が足らないので供出を強制。お寺の鐘もずいぶん供出させられました。その事は次回のブログで。
いずれにしろ、資源の乏しい国が仕掛けた無謀な戦争。あまりにも、悲惨です。
子供の頃、見たことがあるような、ないような、、、。
今でも、骨董市等で見かけますか、、、!?
私は、関心がないのか、気付きませんでした(><)
それにしても、案外、綺麗ですね(^-^;
特に、「小」の瑠璃色に惹かれました(^-^;
瑠璃色のガラス、今のものにはあまり使われていないですね。金赤も。
氷コップなんか値が張るのでコピー品が出回ってますが、ぼかしなんかビックリするほどいやらしい感じです。それと、色も薄っぺらい。陶磁器と一緒で、やはり純度が低いと素材中の雑多な成分が合いまって、深みのある色になるんでしょうね。