これは何でしょう?
火の用心とあります。
裏面には、勇ましいスローガンが。「護れ大空」
穴があいています。
磁器でできた品です。大きさ、4x6.3㎝。片手にすっぽりと収まります。
どうやら、マッチ入れの様です。
マッチ棒を入れて、振れば出てきます。
防水マッチ入れですね。
側面はザラザラした磁器の面。そこを擦ってみると・・・
ちゃんと火がつきました。
これは、軍事用でしょうか。
調べてみると、昭和18年、軍命令により防水マッチの量産が開始されました。防水マッチは、マッチの頭部を蝋で覆った製品です。マッチ自身を防水加工した品です。軍では、兵士のタバコや野営用に、防水マッチを配布していました。
それに対して、この品は、ただマッチ棒を入れておくだけの物です。防水の効果は蝋に劣ります。が、使うときに蝋を取り除く必要がなく、簡便です。たぶん、民生用に作られたのだと思います。
日本では、すでに、明治初期からマッチが製造され、以来、戦争中、そして戦後も、マッチは日常生活になくてはならない品でした。
ところが、20年ほど前に、私はあることに気がついて愕然としました。20歳くらいの若者のうちのかなりの人たちが、男女を問わず、マッチを擦れないのです。聞くと、マッチを使ったことがない、マッチをするのが怖い、と言うのです。
考えてみれば、彼らが生まれたころから、日常で、マッチをする機会がなくなってきたのです。マッチを擦れなくても困ることはない。キャンプファイヤーもチャッカマンでOK。
当然、マッチ棒で遊んだこともありません。
彼らには、マッチ棒のパズル、新鮮だったようです。
小学生の頃、よく遊んだパズル:
マッチ棒2本を動かして、豚を振り向かせる・・・・・
正解は・・・
マッチ棒2本を動かして、豚さんをペチャンコに・・・・
大人の仲間入りする頃によく遊んだパズル:
彼女を誘ったら、その返事は・・・・
マッチ棒2本を動かして・・・
たあいもない遊びです。
スマホ時代に、何とアナログな!?
ちょっと待って下さい。時代は目まぐるしく変わりますが、人間はそう簡単には変わらない。DNAレベルの変化が起こるには、数万年の時間が必要です。科学技術により生活は激変していきますが、人間の方はほとんど変わらないのです。
たかがマッチ、されどマッチ。
マッチをすって、ほのかな光で、先の戦争や今の日本を照らしてみると、ある芸術家の青春の歌が浮かんできます。
「マッチ擦る つかのま海に霧ふかし 身捨つるほどの祖国はありや」
寺山修司
これは使い捨てではなく長く使えるものですね。
確かに今の生活ではマッチを使うことはありませんね。
私もマッチを使っていた世代です。100円ライターが
出る前までは。
珍しいですね。
パズルの、「HOTEL」から「I HOPE」への展開に苦慮しました(><)
これでは、彼女に愛想つかされそうです(笑)。
HOTEL、 I HOPEも誰が考えたんでしょうね。こんなんでワーワー言ってよろこんでいた頃・・・・のどかで平和な時代でしたね。今よりはるかに余裕がありました、世の中も(^\^)