遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

伊万里それとも南京?白磁煎茶碗

2019年11月19日 | 古陶磁ー全般

先日、ことじさんのブログで白磁の煎茶碗が紹介されていました。

実は私も白磁煎茶碗をアップしようと思っていたのですが、さる理由(後述)で躊躇していました。が、ブログを拝見し、背中を押されました(^^;)


白磁の碗、5客です。

煎茶道具に凝っていた頃、ずいぶん昔に入手した品です。

 

 

          径 8.2㎝、高 3.8㎝

 

端正な造りです。

口縁が、ほんのわずかに端反りになっていて、お茶やお酒を飲むのによさそうです。

 

高台内は無釉です。

五客すべて、高台内に陶土がわずかについています。

 

たなごころにフィットしそうな碗ですが、下戸の私には煎茶専用です(^|^;)

 

問題はここからです。

箱には、「伊万里 白磁煎茶碗」とあります。

 

ところが・・・

「南京白磁煎茶碗」の文字が。

これは、確かに私の字です(^^;)

でも、どうして、伊万里ではなく南京と書いたのか、理由を覚えていません。

果たして、「伊万里」か「南京」か?

思いあぐねて、ブログアップを躊躇していた次第です。

 

で、ふと電灯にかざしてみました。

見事に透けています。

こりゃあ、やっぱり南京です。

そうこうしているうちに、かすかに記憶がよみがえりました。

30年前も、こうやって電灯にかざしました(*.*)

 

 

 

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アールデコ茶托と中国麦藁手茶碗でほっこり

2019年11月17日 | 漆器・木製品

興味深いブログを精力的にアップされているうさぎさんが、街歩きの後で、美味しそうなお菓子とお茶を紹介されていました。その時に使われていた菓子皿が気になりました。

例によって、同じような品がウチにもあったはずと探し出したのがこれです。

普段使いの棚の真ん中にありました。ということは、仕舞いっぱなしの多い故玩館の日用雑器の中で、そこそこ使われている品ということになります(^^;)

中央がくぼんでいます。元々、茶托として作られたのでしょう。使ってみると、少し重いのでどんな茶碗に対しても安定感があります。

 

           径 13.2㎝

私もこのデザインが気に入っています。

これは、アールデコ茶托といって良いでしょう。時代は、大正~昭和初でしょう。当時、日本でも、ポスターや雑誌の挿絵、喫煙具、時計など色々な物に、このデザインが取り入れられました。その中で、純和風の品、茶托は珍しいのではないでしょうか。

裏側は、完全に日本の漆器です。


茶托としては大型なので、菓子皿にも使えるのではないかと考え、地元で人気の品をのせてみました。

 

けっこういけそうです。

お菓子は、槌谷の「おお垣」。江戸中期創業の老舗和菓子屋さんですが、洋風新作菓子をどんどん創ることで有名です。これもその一つ。値段は手頃、ボリュームあり。定番の「柿羊羹」とともに、お土産にも最適です。

 

 

ふわふわの生地の中に、マーマレードがはいっています。

 

当然、お茶が飲みたくなりました。

もう一つの棚(準普段使い品の棚(笑))を探したら、まだ使ったことのない茶碗がみつかりました。 

いわゆる麦藁手です。ムギワラ手は、白洲正子好み?(^^;)

 

      高 4.8㎝、径 7.9㎝

口縁は銀で覆輪されています。伏せ焼だからでしょう。

 

内も外も、非常にラフに麦藁模様が描かれています。日本の麦藁手なら、もっと生真面目に線が引かれています。

こういったことから、この茶碗は中国の品(明末?)だと思われます。

 

お茶は、ワイルドにごぼう茶。

 

アールデコの茶托と中国の麦藁手茶碗の組み合わせ、なかなかいけます。和洋中ミックスもおつなものですね。

ごぼう茶の香りと味を楽しみながら、和風洋菓子をおいしくいただきました。

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ものぐさ有機農業。草取り爪でタマネギ植え

2019年11月15日 | ものぐさ有機農業

タマネギ植えのシーズンになりました。

そんなにあわてなくても、12月中でOKなのですが、周りがどんどん植え終わると、何となくせかされるのです(^^;)

何よりも、木枯らしの吹く中での作業はキツイので、寒くなる前に終えてしまおうということになりました。

 

穴のあいたタマネギ専用のマルチを使えば一番楽なのですが、以下の理由でずっと普通のマルチを使っています。

①専用マルチは価格が高い。

②専用マルチは、マルチの幅にあわせて畝を作らねばならないので、限られた土地での融通がきかない。あらかじめ穴があいているので、タマネギの本数を穴の数に合わせなければならず、この点も融通がきかない。

③専用マルチは、収穫が終わったら取り除かねばならず、使用できる期間が短い。

このうちで、③が一番重要です。マルチを張るにのは大変な手間が要ります。一度張ったマルチはできるだけ長く使いたい。私の所では、1~2年間使います。

タマネギのマルチを張った畝では、タマネギ大葉ウリ冬野菜(白菜、大根、ブロッコリーなど)の順に作り続け、1年半の間、同じマルチを使います。

例年、450本のタマネギ苗を植えます。450個の穴を開け、そこへ植え付けていきます。腰と手が疲労の極致。作業終了後、数日は要静養(笑)

 

そこで、植え付け作業の効率化が問題になるのです。

穴あけ・植え付けに使用した道具は、これまで、割り箸⇒スプーン小刀・小シャベルと進化(?)してきましたが、いずれもイマイチでした(;><;)

 

以前、ブログで、おばあちゃんの知恵・草取り爪を紹介しました。あれを思い浮かべ、ピンときました。

そーだ!爪の付いたツールを探そう!

 

で、あちこち店を覗いて、この2つに決定。

ピカピカの新品です。出費は、225円、310円。

 

こんなイメージです。

 

ビニールにグッと穴をあけ、苗を差し入れます。力はいりません。

 

ギュッと押さえれば完了。

 

やってみると、実に簡単。2枚目の写真にあるような、苗を挟んで差し込む必要は全くありませんでした。草取り爪をグリグリしてやれば、自然に苗は吸い込まれていくのです。

手順が少ないので、能率が上がります。

どうしてこんなにうまく行くかというと、草取り爪具の先数㎝が湾曲していて、てこの原理が働くのと適当な空隙があるので、簡単に苗が土中に入るのです。

 

ご覧の通り、植え終わりました。

所要時間、1.5hr(休憩なし)。

例年は一日がかりだった事を思えば、雲泥の差です。

でも、あの修行の様な単独作業が、何故か今年は2馬力だったので、その分、早く済んだのも事実であります(^^;)

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青磁尊式花瓶

2019年11月13日 | 古陶磁ー中国

青磁の尊式花瓶です。

かなり大型です。

      高30.0㎝、外径17.2㎝、底径12.5㎝

上下に蓮弁紋が大きく浮き彫りになっています。

中央には、片切彫りで細かな模様(花びら?)が刻んであります。

 

 

 

 

薄くて見難いですが、蓮弁形の中にも、非常に細かな幾何学模様が施されています。

 

内と外、両側から削られた高台には、鉄釉を塗った跡があります。

 


ご安心ください(^^)

御覧の通りの大疵物なのです(^|^;)

 

見事に割れています。

 

この青磁花瓶の産地と時代は?


伊万里でこの形はあり得ないし、江戸時代の三田だろうと考え、ずっとほおってありました(^^;)

例によって、今回はじめてじっくりと観察しました。

そして、三田では、これだけ細かな浮彫模様を施すことはないだろうという結論にいたりました。


ならば、中国か? 

天龍寺青磁? 七官青磁?

青磁釉は、畳付けを除いて、花瓶の内外に全面施釉され、大変分厚くかかっています。

 

ループで見ると、小さな気泡が多く見られます。

そこで、表面の顕微写真を撮ってみました。

 

実に見事な気泡が、これでもかというくらい入っています。あまりにも気泡が多すぎて、生地の模様がかすんでいるのですね。


これは、ひょっとするとひょっとするかも知れません・・・・・・が、

ここから先は、私の乏しい経験と知識では・・・

 

この品も、ずいぶん昔、田舎の道具屋で購入した物です。

今からすれば、法外に高かった(;><;)

 

 

 

 

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初期伊万里、それとも藍九谷? 漁村風景中皿

2019年11月10日 | 古陶磁ー全般

先日の酒田の人さんのブログで、初期伊万里から藍九谷へ移行する時期に作られたのではないか思われる珍しい皿が紹介されました。

私の所にも似た品がないか、探してみました。

それが、この皿です。

アマ手の大疵物です。

         径 21.2㎝、高 3.6㎝

生掛けの生地に、太い線で、漁村とおもわれる風景がダイナミックに描かれています。

こういった皿は、普通は、初期伊万里とされています。

しかし、太い線で力強く輪郭を描き、濃みをさす描き方は、あの有名な鶉の皿をはじめとして、初期伊万里から藍九谷へ移行する時期に見られるものです。

その点で、先の酒田の人さんの皿に共通するものがあると思うのです。

 

 

裏側は、小さな高台や陶工の指跡など、初期伊万里の特徴を示しています。

総合的に考えれば、少しだけ藍九谷的要素が入った後期初期伊万里とでも呼べばいいでしょうか(^^;)

 

それにしても、大きなニュウやジカンがこれでもかというくらい縦横に走っています。

ここまでくると、もはや抽象アート・・・・・・・・・またもや、自分の品には大アマの遅生でした(^.^;)

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