コメント(私見):
地元紙の記事を読むと、長野市に隣接する須高地域(須坂市、小布施町、高山村)で唯一の産科施設である県立須坂病院でも、分娩取り扱い休止を検討せざるを得ない状況に追い込まれているようです。
全国的にこれだけ厳しい状況になってくれば、広域医療圏の周産期医療が崩壊するのを防ぐためには、地域としてどう対応していけばいいのか?という発想に切り替えていく必要があると思われます。
****** 信濃毎日新聞、2006年8月22日
県立須坂病院 お産休止も
産科医不足で来年度以降
県立須坂病院(須坂市)で、産婦人科の常勤医2人のうち1人がけがのため出産に対応できない状態が続いている。21日は須坂市、小布施町、高山村の首長らが県庁に村井知事らを訪ね、産科医の確保を要望した。県側は現状のままだと来年度以降、同病院でのお産の扱い休止も検討せざるを得ないと説明。知事は医師確保に努力するとした上で、緊急避難的に隣接市の産科の利用も探る考えを示した。
須高3市町村 継続を要請
須坂病院は須高地区で唯一の出産施設で、扱う件数は年間420件。同病院や県立病院課によると、6月に産婦人科の男性医師が交通事故で右肩を骨折し、神経を痛めた。現在はリハビリ中で、診療には復帰しているが、お産は当面、担当できない状態だ。
同病院は6月以降、県立こども病院(安曇野市)や千葉大から臨時に産科医を派遣してもらい、出産に対応しているが、別の常勤医1人に過大な負担がかかっているという。
知事らに対し、三木正夫・須坂市長は「安心して子どもを産める病院が身近にあることが極めて重要。産科医を確保し、地域での出産に対応してほしい」と述べた。
渡辺康子衛生部長は「全国的な産科医不足で、確保が難しい状況。医師のけがの回復が思わしくなければ、お産を休止せざるを得ない」と説明。長野市や中野市などの医療機関で新たに約700件のお産の受け入れが可能、とした。
三木市長らは、「地元市町村としても病院の運営や医師の確保にできる限り協力していく」とし、須坂病院での出産の継続を繰り返し要請。県側は「若い産科医を1人確保できれば、お産は続けられる」とし、「地元の皆さんにもいろいろなつてを使って医師を探してほしい」と求めた。
(信濃毎日新聞、2006年8月22日)