あのひとは
いつもそうなのだ
ふと
みんなの様子を見て
ああみんな
幸せそうだなと笑うと
ふと
きれいに笑って
すぐに向こうに行ってしまう
ひきとめることさえできなかった
そんな馬鹿者たちが
後に残されて
どんなにさみしかったか
あのひとは気付きもしないうちに
全てを忘れてしまったのだ
なぜ向こうに行ってしまうのだろう
なぜこっちに来ないのだろう
来てくれないのだろう
それはね
教えてあげよう
何万年と長い間
馬鹿だからと
言われてきたからなのだ
愛することしかできないなんて
なんて馬鹿なのかと
だから
みんなの邪魔をしてはいけないと
すぐに行ってしまうのだよ
もう会えなくなってからでは遅いが
充分に学びなさい
本当に好きな人に
馬鹿だと言ってはいけない
そんなことをしたら
いちばん好きな人を
永遠に失ってしまうから