泥に沈んだ女ほど
醜いものはない
頬ずりをするほど人に近寄り
顔も心も何もかも
その存在を自分に摺り取ろうとするのだ
汚いこと
いやらしいことを
存分にやり
憎い美人を滅ぼした後
平気でそれになりすまそうとする
自分ではない
美しいものになりたいのだ
自分は
あまりにも卑しいことを
してしまったからだ
愛を身に着けた本当の女を
全部嘘にし
嘘で塗り固めた自分を
本当にしようとする
それは
神の愛を
全くの嘘だということに等しい
馬鹿な女はこうして
すべてを愚弄するのだ
愛の姿を完璧に真似しているが
それは愛ではない
何かが違うものだ
愛の顔をして
決して愛しはしない
何もかもを奪おうとする
あれは嫌なものだ
逃げるほうがよい
全世界の果ての岸辺に追いやり
法則の風に干し
あとは放っておくがよい