じぶんではない
じぶんを生きていて
何が楽しいのですか
そのじぶんは
愛ではない
愛のかたちを盗んだ
嘘なのです
上手にまねをすればするほど
あほうになる
むなしい夢なのです
あなたはじぶんがいやだった
じぶんはいいことなど何もない
馬鹿にしか見えなかったから
だからじぶんよりもずっとよく見える
他人になりたかったのだ
それが馬鹿だったのだと
わかるころになっても
あなたはまだ嘘をはなせない
はなしたら
嘘から生えた夢の山が
全部くずれてくるから
かわいそうに
じぶんではない
じぶんを生きながら
愛のふりをした
嘘を演じながら
あなたはだんだんと
しぼんでゆく
神の創られた
愛の庭から
転げ落ちてゆく
本当の自分こそが
愛なのです
愛のふりなどしなくても
もとから美しい
それは真実なのに
あなたは自ら
それを捨てたのです