馬鹿が
高いところにのぼりすぎたのだ
蛙のように小さな自分が
いやでたまらず
月のように高いものになりたいと
おまえは嘘で自分を美しくしすぎたのだ
馬鹿者め
降りるに降りられぬ
盗んできた黄金の夢を
すべて神に返し
やぶれ衣一枚のみじめな姿となって
てっぺんから真っ逆さまに落ち
なにもかもを失えば
落ちる地獄が浅くなるだろう
だがおまえにはできまい
夢にまで見た
天使のような美人になって
嘘寒い芝居を打ち続け
魂がすり減っていく音に
気づきもせず
おまえはおまえに
見捨てられていくのだ
上りすぎた嘘のてっぺんから
降りることもできず
自分ではないものの
最も深い闇に
おまえは落ちていくのだ