沈みゆくガラスの船にとりすがり
神の声を吹くあしたの笛に
耳を背ける者よ
もうそろそろやめなさい
あなたの足の底から
自分が散り破れていく音が
少しも聞こえないわけでもあるまいに
嘘で塗り固めた
黄金の天使のマスクが
あなたの本当の顔を
煮え殺していることに
気づかないのか
嘘が本当になるまじないなど
ないと知っていながら
毎日のように唱える
架空の呪文が
あなたの舌先で腐ってゆく
もうやめなさい
ガラスの船は沈んでゆく
これこそが真実だと叫ぶ
おそろしい偽神の幻を
信者のひとみに描きながら
もうやめなさい
もうわかっているはずだ
すべては
間違っていた自分を
許すために作った
愚か者の舞台だったことが