チョ・ナムジュさんの「ミカンの味」を読み終えた。
思春期の女の子4人の物語だ。どうやら、著者の娘さんも思春期。うちの息子も思春期。思春期って特別なんだ〜と反抗真っ盛りの息子に手を焼く毎日に、この物語がちょうど刺さった。
終わり方も秀逸だし、タイトルが「ミカンの味」となった場面もみずみずしく美しい。
韓国の進学状況がわかるように、解説も丁寧にされていて、同じく高校受験を考える母親としては格別興味深い。
作者のあとがきも素晴らしくて、ちょっと電車の中で泣きそうになったんだけど、そこに以下の文章があって、
成長はときに手に負えなくて、孤独なことのようです。「誰でもみんな経験することだよ」「あなたは一体何が不満でそんなふうなの?」という言葉に、そうは言っても大変なものは大変なのだと、そういうこともあるんだと答えたかったのです。
ミカンの味 作者あとがきより
「成長はときに手に負えなくて、孤独なことのようです」この言葉こそが私が探していた思春期についての答えのように思えて、ポストイットに書きつけてトイレの壁に貼り付けた。