五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

24節気72候 蚕起きて桑を食む

2017年05月23日 | 第2章 五感と体感



蚕起きて桑を食む 24節気72候 2017年5月23日

5月23日あたりは、24節気72候では、蚕起きて桑を食む 「蚕起桑食」候です。

絹糸の蚕は、艶やかな白でとても美しいのですが、粉吹きの白さの幼虫は少々苦手です。
通っていた小学校の校舎の裏側が桑の林だったので、理科の授業で使用したお蚕さんを育てるために自宅で誰かが管理しなくてはならず、家が近い私はいやいや持たされ、買う羽目になりました。でも、桑を食むお蚕さんを見ていると、段々と情が湧いてきて可愛いと思うようになったことを、この季節になると毎年思い出します。
小学生の時は、大人になってから絹を扱う事するとは思いもよらず、桑を食むお蚕さんを見つめ続けていたものです。

梅雨の少し前の初夏の時期は、ぐんぐんと緑が濃くなり、生命の強さを感じます。
近所のどの草木を眺めても、のびのびと育つ伸びしろを感ずるので、開放感をもらっています。

絹糸を作り、それを布にする織りの作業は、大変手間がかかるものです。
時間をかけて作る割には、作り手には相当の報酬は与えられません。
職人とはそういうものだ、という数千年の慣例が、今の経済の体系の素地だとすると、不公平な気にもなるのですが、人間に備わっている学習して工夫する情動と働く習慣は、生業を得るための手段だけでなく、働くことの生き甲斐がそれに勝るようにも思うのです。

「生きるためにいくら必要か」に囚われるよりも、生きるための職業に喜びと誇りを持てるよう精進したほうが楽しい人生が送れそうな気もするのですが、フェアトレードのアンバランスは、やはり問題あるな、と、、

12兆円の武器の商売を堂々とやってのけた某国のリーダーを考えたら、千利休なんて、可愛いものだ、、、と、思ったり、
一本の糸のためにシルクロードを往復した商人に思いを馳せつつ、
鉄砲持って種子島にたどり着いたフランシスコザビエルをふと思い出したり。。。

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