-前々日の続きです-
徐々に快方に向かいながらもまた後退。そんな状態を繰り返しながらも、病気を完全に忘れるようになったのは10年近くが過ぎていた。その間も普通の生活はできていたのだが。
いま思うと、あれは一体なんだったのか。ストレスとか自律神経とかいわれても、形が見えるわけではない。今もその原因に納得しているわけではないが、それにこだわってもいないので治ったのだからよしとする。
もしもあなたの身近に心因性の病に苦しむ人がいたとしたら、その人に励ましの言葉はかけないでください。当事者にとって「がんばれ!」や「しっかりしなさい!」という言葉は、より心の負担になるのです。優しく接し、あたたかい心で見守ってあげましょう。
朝日新聞に「患者を生きる」という囲み記事が連載されています。いま「うつ」というテーマを取り上げていますが、その中で39歳の会社員の話。
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会社からは完治してから復職をせよといわれ、退職も考えたが、通院していた病院の院長から諭され思いとどまった。
父親も黙って見守ってくれて、体力づくりのためにはじめたゴルフに、共通の話題も生まれ、一緒にコースを回るようになった。早寝早起きを心がけ生活リズムも戻り、復職も決まった。
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復職デイケアーの所長の高橋理佳子さんは「復職を焦り、がんばりすぎていないかどうかを見極めるのが、私たちの役割です」と話す。
僕にとってこの経験は、多くの教訓と財産を与えてくれた。前述したように、この期間に見た多くの映画をはじめ、人のやさしさに触れ、自分では意識しないストレスもあることを知り、そして普通に仕事ができるありがたさを教えられた。
生きるということは平坦な道のりではない。凹むときもある。そのときにどう乗り切るか。前にも取り上げたことがあるが、凹みは次にジャンプするための必要不可欠なもののようだ。凹みが大きければ、より大きなジャンプができる。凹みは力をためる大切なときなのです。
☆僕の体験談、聞いてくださってありがとうございました。
2006.08.27