勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

運命

2007-09-11 12:22:18 | Weblog
「信長と同年同月同日同時に生まれし者を尋ね出し給ふ」 
 天下を取った信長は、一つのお触れを出した。易占いを信じていない信長は、生年月日がその人の運命を決めるのか、確かめようとした。

 一人の男が見つかった。極貧の男を見て信長は言った。「わしは天下を取り、おまえは極貧。同時に生れても、運命がだいぶん違うな」。

 ところが男は言った。「いえ。上様と私は大差ありません。ただ一日の違いです」。極貧男がそう答えたので、信長は聞いた。
「その一日とはなんじゃ?」
「天下を取っても、貧しさに極まっても、それは昨日までの過去のこと。上様とて明日はわかりませぬ。今日一日のみ、上様は天下の主として楽しまれ、わたしは極貧に苦しんでいるだけです」

 これを聞いて信長は、一瞬愕然としたが、やがて満足そうにうなずき、男にたくさんの衣服金銀を与えて帰した。結局、人間は今だけを生きている。

-朝日新聞/コラム「昔も今も」から-
 昨日の記事「生きる」の中で、僕は言った。「今日という日を悔いのない一日にしよう」と。しかし、それは特別な日でなくていい。無事是幸せ。時々でいい、小さな喜びが見いだせれば・・・。
 向島百花園には、秋の花が咲き乱れている。その中で、ひときわ目立つ花がある。ひと夏の命を咲き終えようとしている真っ赤な花。それはカイコウズ。花言葉は「夢、童心」。