牝馬実力日本一決定戦・第35回エリザベス女王杯(GI・芝2200m)が14日、京都競馬場で開催されました。当初はフルゲート18頭立ての予定でしたが、⑪プロヴィナージュが左前脚挫石のため出走取消になり、17頭で争われました。今年のエリ女は、史上3頭目の牝馬3冠を達成した⑤アパパネが初めて古馬勢と顔を合わせ、「牝馬4冠」&GI5連勝に期待がかかりました。この快挙に待ったをかけるのが、イギリスの⑥スノーフェアリー。彼女は今年の英国オークス&アイリッシュオークスを制した「英国の女傑」。日英3歳女王対決を制するのは一体どっちだ!?
アパパネVSスノーフェアリーの他にも、オークス馬の⑦サンテミリオン、⑫アニメイトバイオの3歳勢、京都大賞典の勝ち馬で悲願のGI制覇を狙う⑨メイショウベルーガ、一昨年のエリ女優勝馬・⑰リトルアマポーラ、2008年桜花賞馬の③レジネッタ、⑩ヒカルアマランサスなどの古馬勢、カナダから参戦してきた⑯アーヴェイが出走しました。
直前の単勝の上位人気は、1番人気はアパパネ(2.7倍)、メイショウベルーガが2番人気(3.1倍)、3番人気がアニメイトバイオ(7.2倍)。4番人気のスノーフェアリー(8.5倍)までが10倍を切り、後はサンテミリオン、ヒカルアマランサス、リトルアマポーラと続きました。
ゲートが開いた直後にアパパネが好スタートを切り、スタンド前での先行争いで②セラフィックロンプが鼻を奪い、⑧ブライティアパルスとリトルアマポーラも前を伺います。ゴール板を通過して1コーナーに回ったところで、④テイエムプリキュアが先頭に立ち、アパパネは4,5番手、スノーフェアリーとアニメイトバイオ、メイショウベルーガの有力馬は中団の位置からレースを進めます。
先頭を奪ったテイエムプリキュアは、向正面に差し掛かるところで後続を引き離しにかかります。スタートで先頭だったセラフィックロンプは2番手に下がる。アマポーラが4番手、アパパネ5番手、スノーフェアリー6番手、アニメイト、アーヴェイ、①コロンバスサークルが7番手圏内、10番手の位置にメイショウベルーガとサンテミリオンが並走。中団よりやや後ろのところの12番手集団にヒカルアマランサスとレジネッタ、後方では⑭アースシンボル、⑬サンレイジャスパー最後方。
残り1000mを切り、テイエムプリキュアが8馬身リードで飛ばし続け、17頭が縦長の状態に。外回りの坂に入るところでコロンバスサークルが4番手に浮上、アパパネ、アーヴェイ、スノーフェアリーはまだ追い上げに入らない。ベルーガとアニメイトはまだ馬群の中。下り坂になってプリキュアのリードが無くなるが、先頭で最後の直線に入る。2番手争いではコロンバスサークルが最内に入るが、スノーフェアリーが一気に加速して先頭に躍り出た!アパパネとメイショウベルーガは外に持ち出して追い上げるが、フェアリーの勢いを止めることができない。スノーフェアリーは2番手に4馬身差の圧勝でゴールイン!ベルーガが2着に入り、アパパネは3着争いか?
最終成績&払戻金
1⑥スノーフェアリー 2:12.5
2⑨メイショウベルーガ 4
3⑤アパパネ 1.3/4
4⑰リトルアマポーラ ハナ
5⑩ヒカルアマランサス 3/4
6①コロンバスサークル 3/4
7②セラフィックロンプ ハナ
8⑧ブライティアパルス クビ
9⑦サンテミリオン 1.1/4
10⑮ムードインディゴ 1.1/2
11③レジネッタ アタマ
12⑱シングライクバード 3/4
13⑬サンレイジャスパー クビ
14⑭アースシンボル ハナ
15⑫アニメイトバイオ クビ
16⑯アーヴェイ 1.3/4
17④テイエムプリキュア クビ
⑪プロヴィナージュ 出走取消
単勝 6 850円
複勝 6 220円 9 120円 5 120円
枠連 3-5 320円
馬連 6-9 1,430円
馬単 6-9 3,590円
ワイド 6-9 540円 5-6 500円 5-9 210円
3連複 5-6-9 1,320円
3連単 6-9-5 10,170円
(11番に関する馬券は返還)
イギリスから参戦してきたスノーフェアリーが、2着に4馬身の差をつける圧勝でエリザベス女王杯を制覇。外国馬が同レースを制したのは史上初めての事です。メイショウベルーガが2着に入り、牝馬4冠を狙ったアパパネは3着という結果に終わりました。オークスでアパパネと優勝を分け合ったサンテミリオンは9着、3番人気のアニメイトバイオは15着、カナダのアーヴェイは16着惨敗に終わりました。
いや~何と言いますか、次元が違いましたね。イギリスとアイルランドのオークス馬は強く、「欧州最強3歳牝馬」という呼び名は伊達じゃなかったです!最後の直線の末脚はヤバいほど切れ味が鋭かった!(上がり3ハロンのタイムは34.0秒!)中団馬群の中から最内に入り、急加速で先頭に立ってからはもう独走状態。秋の天皇賞のブエナビスタの快勝劇を上回る衝撃を受けました。スノーフェアリーは通算成績12戦5勝、GI通算3勝目です。この後はジャパンカップに参戦するといわれており、彼女の強烈な末脚が府中でも発揮しそうな予感。ブエナビスタもウカウカできないぞ。
「牝馬4冠」を狙ったアパパネは、初めての古馬挑戦で3着。「日英3歳女王対決」にも敗れ、GI連勝もストップ。スノーフェアリーに1秒以上離され、鼻差でギリギリ3着確保と内容と結果で完敗でしたな。国枝調教師はレース後に「年内は休養します」と有馬記念参戦を断念。エリ女勝利→有馬でブエナビスタと直接対決というプランは白紙撤回、GI5勝目は来年に持ち越しとなりました。
来週は秋のマイル王決定戦・第27回マイルチャンピオンシップ(GI)が行われます。スーパーホーネットが引退を表明、スワンステークスを勝ったマルカフェニックスが屈腱炎で回避と残念なニュースが相次ぐ中、エイシンアポロン、アリゼオ、オウケンサクラ、キンシャサノキセキ、ジョーカプチーノ、サンカルロ、ダノンヨーヨー、トゥザグローリー、ショウワモダンといった辺りが登録し、海外からはアメリカのサプレザが参戦予定。今年のマイルCSは混戦模様で波乱決着もあり得るかも?