FIFAブラジルワールドカップ・アジア地区3次予選の第3戦「日本代表VSタジキスタン代表」が11日、大阪・長居スタジアムで行われました。ザックJAPANは3次予選を2試合終えて1勝1分け・勝ち点4でC組首位タイ。首位だけど、北朝鮮とウズベキスタンに厳しい戦いを強いられました。3戦目の相手であるタジキスタンは、2次予選でシリアに敗れましたが、シリアがスウェーデン代表歴のある選手を出場させたため失格となり、繰り上がりで3次予選に出場。FIFAランキングで157位で、3次予選はここまで2戦2敗とC組最下位です。未知の相手に対して絶対に勝たなければならないこの一戦で、ザックJAPANが前半から相手を圧倒しました。
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GK 1 川島永嗣
DF 3 駒野友一
DF 5 長友佑都
DF 15 今野泰幸
DF 20 吉田麻也
MF 7 遠藤保仁
MF 9 岡崎慎司
MF 10 香川真司
MF 14 中村憲剛
MF 17 長谷部誠
FW 16 ハーフナー・マイク
主力中心で臨む今回、中盤には中村憲剛が入り、ベトナム戦を休んだ遠藤と岡崎もスタメン入り。FWにはハーフナー・マイクが初スタメン。
タジキスタンのボールでキックオフした前半、開始早々にいきなり日本がチャンスを迎え、長谷部→香川→岡崎がシュートもGKにキャッチされます。6分、左CKを吉田が左足ボレーを放つもGKに阻まれ、2度目の左CKはショートで繋ぎ、憲剛クロスに吉田がヘディングで叩きつけるも決まらず…。9分には香川がミドルを放つもポスト右に逸れる。迎えた前半11分、右サイドで駒野→憲剛→駒野クロスにハーフナーが飛び込み、ヘディングシュートが決まり先制!ハーフナーにとってはこれが代表初得点!
先制点を取った事により、日本はさらに勢いに乗り出します。18分、岡崎が右サイドでボールを奪うと、駒野→憲剛スルーパスに岡崎が抜け出し、最後は右足シュートを決めて2点目。今度は細かいパスで相手DFを崩しました。24分、左サイドの長友がドリブルで仕掛けてミドルシュートもGKのセーブに阻まれる。続く右CKを吉田が頭で合わせたが、GKの正面。32分には駒野のクロスにハーフナーがヘディングするもバーの上。
前半残り10分となり迎えた35分、左サイドの香川のクロスが流れるも長谷部が拾い、駒野→ハーフナー→憲剛シュートはGKに阻まれ、こぼれ球を駒野がダイレクトの低いミドルでゴールネットを突き刺して3点目。駒野も代表初得点。41分、左サイドにいた憲剛のスルーパス→香川がダイレクトで右足を合わせてゴール。これで4点目。日本は前半だけで4点を奪い、タジキスタンを大きくリードして折り返します。
後半になっても日本のゴールラッシュは続きます。後半1分、遠藤のパスを受けた駒野がクロスを上げ、ゴール前でハーフナーのヘディングシュートが決まり5点目。ハーフナーこの試合2得点目で、ハットトリックにリーチがかかったが、後半4分に李忠成と交代。後半4分、右CKを入ったばかりの李が合わせるもゴールならず。5分、遠藤の縦パスに岡崎が反応してボレーを狙うもGKの足に阻まれCK。続く右CKに吉田がワントラップして左足シュートもバー直撃…。吉田またも決められず。7分には憲剛がペナルティエリア内でクロス→岡崎が飛び込むもクリアされ、こぼれたところに長友が右足ボレーを狙うも、またもバーに弾かれた。その30秒後、岡崎が中央からミドルシュートも、今度はポスト直撃。日本は約3分間で3度もポスト&バーに阻まれる。なぜだ!?
後半9分、長友が左サイドで仕掛けてクロス、香川スルー→岡崎シュートは相手にブロックされ、こぼれ球に長谷部がミドルもクリアされる。今度は中盤でボールを奪い、長友のグラウンダークロスに憲剛が左足で流し込んで6点目。さらにリードは拡がるばかり。
日本は後半22分、憲剛の左CKを味方選手が飛び込むもGKがパンチング。こぼれ球を拾った遠藤が右サイドの香川にパスを出し、香川のクロスがそのままゴールへ。なんともラッキーな形で7点目。タジキスタンGK・トゥイチェフは座り込んで呆れるしかなかった。28分、駒野クロスに李がヘッドも相手にクリアされ、エリア左の憲剛のクロスにフリーの岡崎がしっかりとヘディングで決めて8点目。後半も4点を奪った日本、タジキスタンに8-0で大差の圧勝です。
超格下の相手に勝って当然ともいえる一戦で、日本代表が終始攻めまくり。前回のベトナム戦ではたった1点しか取れず、タジキスタンに勝てないんじゃないかと思われましたが、その不安を払拭するかのような怒涛のゴールラッシュ。ハーフナー・マイク選手と駒野選手の代表初ゴール、香川選手と岡崎選手が2得点を挙げ、終わってみれば8-0の大勝でした。3次予選の3試合目にしてアジア王者の力が発揮され、タジキスタンに格の違いを見せつけました。
代表3試合目で初先発だったハーフナー選手は、ヘディングで2ゴールを挙げ、スタメン起用にしっかりと応えました。1点目は駒野選手のクロスにしっかりと合わせ、2点目も前半と同じようなゴール。高さや合わせ方も完璧でした。駒野選手はハーフナー選手の2得点をお膳立てすれば、代表65試合目にして嬉しい初ゴール。中村憲剛選手は得点シーンによく絡み、自らも6点目のゴールを奪うと、3アシストをマークしました。本田選手の穴をしっかり埋める大活躍でしたね。
不調が続いていた香川選手は、慣れ親しんだ長居で2得点を挙げて完全復活。特に後半の7点目のゴールは、クロスボールが直接入っちゃいました。試合後の談話では「狙ってました」とコメントしていたそうです。いやいや、たまたまにしか見えませんでしたよ。岡崎選手はヒザの痛みを感じさせない暴れっぷりを見せ、9本のシュートを放って2得点。後半8分のシュートがポストに当たってなかったらハットトリックでしたよ…。
敗れたタジキスタンは防戦一方で惨敗。試合前の会見でラフィコフ監督が「勝つ確率は1000分の1」と弱気発言。試合後のコメントは「今日は当然の結果でした。日本は他の2チームとは比べものにならないほど強かった」と完敗を認めました。主力メンバーがインフルエンザで離脱した影響もあったし、攻撃でチャンスらしいチャンスも無し。ディフェンスも非常にザルで、失点して座り込むGKのトゥイチエフ選手がかわいそうに感じました。
これで日本は3試合を終えて2勝1分け・勝ち点7。同じ日に北朝鮮に勝ったウズベキスタンと勝ち点で並んでいますが、得失点差で単独首位に立ちました(日本+9、ウズベク+2)。得失点差の事を考えると、タジク戦で大勝したのは非常にいい事だと思います。ザックJAPANはこの後、3次予選のアウェー戦が続き、11月11日にタジキスタン戦、15日に北朝鮮と対戦します。厳しいアウェーでの戦いにも勝利し、最終戦のウズベキスタン戦を前に最終予選進出を決めてほしいですね。