3歳牝馬3冠シリーズの最終戦・第16回秋華賞(GI・芝内回り2000m 18頭立て)が16日、京都競馬場で行われました。今年は桜花賞馬の⑱マルセリーナ、オークス馬⑨エリンコートのGI馬に加え、ローズステークスの勝ち馬で無冠返上を狙う⑫ホエールキャプチャ、クイーンステークスで古馬を一蹴した④アヴェンチュラが参戦。他にも⑪マイネイザベル、⑥ピュアブリーゼ、紫苑Sを勝った⑯カルマートなども出走。牝馬三冠の最後の1冠を手にしたのは一体どの馬か?
直前の単勝上位人気は、1番人気がホエールキャプチャ(2.2倍)、2番人気がアヴェンチュラ(3.1倍)、3番人気のマルセリーナ(8.3倍)までが10倍以下で、4番人気以降はマイネイザベル、エリンコート、デルマドゥルガー、①キョウワジャンヌと続きました。
スタートで⑤フレンチボウがやや出遅れた以外は揃い、スタンド前での先行争いでは、⑭メモリアルイヤーが押しながら先頭に立ち、ホエールキャプチャ、アヴェンチュラ、ピュアブリーゼにカルマートも先行策を取り、マルセリーナとエリンコートは後方でゴール板を通過。
1,2コーナーから向正面に差し掛かり、先頭のメモリアルイヤーが2番手以降を5馬身以上離してリード。2番手に⑪ゼフィランサス、3番手の位置にアヴェンチュラが追走。4番手ピュアブリーゼ、5番手にカルマート、6番手集団には③リトルダーリン、キョウワジャンヌ、ホエールキャプチャがいて、中団の8番手集団にマイネイザベル、後ろに⑩スピードリッパー。オークス馬のエリンコートは13番手、デルマドゥルガー15番手。後続では16番手にマルセリーナ、16番手のアカンサスは最内を通り、フレンチボウは最後方。
縦長の状態で3コーナーに入り、前半1000mを58.3秒で通過したメモリアルイヤーはまだ逃げ続ける。アヴェンチュラ3番手、中団ではエリンコートが外から進出し始めたのと同時にホエールが動く。マルセリーナはまだ後方。3,4コーナー中間点を過ぎ、メモリアルイヤーのリードが縮まると、アヴェンチュラが2番手に浮上。
残り400mを切って最後の直線に入ったところで、アヴェンチュラがメモリアルイヤーを捉えて先頭に浮上。2番手にキョウワジャンヌ、ホエール3番手まで上がったがあまり伸びない。さらに大外からマルセリが襲いかかるも前には届かない。残り100mでジャンヌがアヴェンチュラとの差を詰めるも、アヴェンチュラがそのまま押し切ってゴールイン!2着キョウワジャンヌ、ホエールキャプチャは3着入線…。
全着順&払戻金
1着④アヴェンチュラ 1分58秒2
2着①キョウワジャンヌ 1馬身1/4
3着⑫ホエールキャプチャ 1馬身1/4
4着⑬アカンサス 1/2馬身
5着②リヴァーレ クビ
6着⑧デルマドゥルガー 1/2馬身
7着⑱マルセリーナ 1馬身1/4
8着③リトルダーリン 1馬身1/4
9着⑦マイネソルシエール 1馬身1/4
10着⑨エリンコート 1/2馬身
11着⑤フレンチボウ 3/4馬身
12着⑰レッドエレンシア 1馬身1/4
13着⑩スピードリッパー 4馬身
14着⑯カルマート クビ
15着⑮マイネイサベル 1馬身3/4
16着⑪ゼフィランサス 1/2馬身
17着⑥ピュアブリーゼ 1/2馬身
18着⑭メモリアルイヤー ハナ
払戻金
単勝 4 310円
複勝 4 130円 1 360円 12 110円
枠連 1-2 2840円
馬連 1-4 3100円
馬単 4-1 4250円
ワイド 1-4 860円 4-12 170円 1-12 590円
3連複 1-4-12 1720円
3連単 4-1-12 12680円
最後の1冠を制したのはアヴェンチュラ!ホエールキャプチャ、桜花賞馬・マルセリーナ、オークス馬・エリンコートといった春クラシックで活躍した馬達を蹴散らして秋華賞を制しました。1番人気に支持されたホエールキャプチャは3着に敗れて無冠返上ならず。桜花賞馬のマルセリーナは大外枠が響いて7着、エリンコートは見せ場なく10着に敗れました。
アヴェンチュラに騎乗した岩田康誠騎手は今年のGI初勝利で、秋華賞2勝目。コンビを組むのは初めてでしたが、アヴェンチュラにGIタイトルをもたらしました。また、このレースを勝った事により、5度目の年間100勝を達成。そういえば3年前も秋華賞で年間100勝を達成してましたね。管理する角居勝彦調教師は同レース初制覇です。アヴェンチュラの姉は2008年のオークス馬・トールポピーであり、史上2頭目の姉妹GI制覇を達成。ちなみに、トールポピーは秋華賞で10着に終わりました。
骨折で春のクラシックを棒に振り、北海道で力をつけてきたアヴェンチュラは、今回のレースで、道中3番手でじっと我慢し、直線ではメモリアルイヤーをかわし、キョウワジャンヌの猛追を振り切りました。古馬を破った勢い、春の無念を見事に晴らすような走りを見せました。3連勝でGI初制覇を飾り、次は「最強牝馬」を決めるエリザベス女王杯に出走予定。エリ女には同期の最大のライバル・レーヴディソールが復帰予定。強敵撃破で「最優秀3歳牝馬」の座を獲得できるのでしょうか。
来週は牡馬3冠の最終戦・第72回菊花賞が京都競馬場にて行われます。なんと言っても注目は、皐月賞&ダービーで2冠を達成したオルフェーヴルが三冠制覇なるかどうか。前走の神戸新聞杯では、2馬身半差の快勝で三冠達成へ視界は良好です。勝てば2005年のディープインパクト以来史上7頭目の三冠馬となるだけに、プレッシャーもかなり高いでしょう。重圧に押しつぶされず、3000mの長丁場をトップでゴールできる事を期待したい。
他にもウインバリアシオン、サダムパテック、フェイトフルウォー、フレールジャック。ベルジャザール、トーセンラーなどが出走予定。菊花賞は昨年、一昨年と2年続けて伏兵馬が勝っていますが、今年は三冠馬誕生の瞬間が見られるかもしれません。23日はオルフェーヴルの一世一代の大勝負を皆さんで見守りましょう。