ヨーロッパ最強馬決定戦・第91回凱旋門賞(芝2400m・18頭立て)が、日本時間7日夜、フランスのロンシャン競馬場で行われました。このレースには日本からはオルフェーヴル、アヴェンティーノの2頭が参戦。オルフェーヴルはフランス遠征初戦のフォワ賞を勝利し、地元でも凱旋門賞の最有力候補として取り上げておりました。対するヨーロッパ勢では、2000ギニー&エプソムダービーの英国2冠馬・キャメロット、昨年の2着馬・シャレータ、今年のフランスダービー馬で凱旋門の前哨戦「ニエル賞」を勝ったサオノワ、セントニコラスアビー、フォア賞に出走したミアンドルが参戦しました。
フランスの競馬はゼッケン番号とゲートの番号が異なり、⑬キャメロットは5番ゲート、⑦アヴェンティーノは7番ゲート、⑧シャレータは11番枠に入り、⑥オルフェーヴルは大外の18番ゲートからのスタート。
レースはほぼ揃ったスタートで始まり、オルフェーヴルも好スタートを切った。まず先行争いで、⑮アーネストヘミングウェイ(アイルランド)が先頭に立ち、先団にはキャメロット、⑯サオノワ、⑨ハヤランダ、⑤ロビンフッドが外側から2番手に進出。中団には②セントニコラスアビー、アヴェンティーノ、オルフェーヴルは後方2番手で待機。
最初のカーブを回ったところで、ヘミングウェイがレースを引っ張り、ロビンフッド2番手、④ミハイルグリンカ3番手、4番手に⑩ソレミアがつける。⑱グレートヘヴンズ5番手。フォルスストレートに差し掛かったところで、キャメロット、シャレータは中団の位置、オルフェはまだ後方、アヴェンティーノは大外に離れて早くも戦線離脱。
先頭で逃げるアーネストヘミングウェイは、一旦は引き離したが、残り600mで集団に吸収された。最後の直線に差し掛かり、オルフェーヴルは大外に持ち出す!先頭争いはソレニアが先頭に立ち、ハヤランダ、グレートへヴンズ、⑭マスターストロークと横並び。ラスト400mを切ったところでオルフェーヴルが大外から一気に追い込み、残り300mで単独先頭浮上!そのまま押し切れば優勝だ!しかし、ラスト100mでソレミアが差を詰め、ゴール手前でオルフェをかわしてゴールイン!オルフェーヴル押し切れず惜しくも2着…。
いや~惜しかった~!と言うか悔しい!今回の凱旋門賞は、20年以上競馬中継を見た中で、一番興奮しました!直線のシーンは「行けー!」「頑張れー!」、「粘ってくれ」と大声を上げ、オルフェーブルが大外から伸びて先頭で抜け出した時は、勝利はほぼ決まったかなと思いましたが、日本馬初制覇までもう少しのところでソレミアに差されたときは、本当にショックで、涙が出そうでした。オルフェーヴルも良い内容で強い競馬をしていたけど、勝った馬がそれ以上に強かった。かわされても決して諦めず、ラスト100mで追い詰めて差し返したのですから。
池江泰寿調教師がレース後の談話で「日本の皆様、本当に申し訳ありません」と謝罪してました。悔しい気持ちはわかります。でも謝る必要はありません。2着でも素晴らしい結果だと思っています。我々も本当に最高の夢を見させてもらいました。だから自信持って日本へ帰って来て欲しい。来年こそは忘れ物を取れるように…。
優勝したソレミアはフランスの4歳牝馬で、前走のヴェルメイユ賞では3着。単勝42倍の12番人気の伏兵でした。鞍上のオリビエ・ペリエ騎手は凱旋門賞通算4勝目で、過去には3連覇を果たし、今回は実に14年ぶりの勝利となります。ペリエ騎手は数年前まで短期免許で何度も来日していたけど、最近はあまり見かけません。もう一度日本に来てほしいな~。
その他の馬の成績ですが、オルフェーヴルの最大のライバルと目されていたキャメロットは7着、シャレータは9着、サオノワは15着、もう1頭の日本馬・アヴェンティーノは17着に終わりました。キャメロットは世界的名手・デットーリ騎手とのコンビで臨み、必ず上位に入ってくるだろうと思われましたが、予想外の惨敗でした。ちょっとがっかりかな。
またしても欧州の壁に跳ね返された日本競馬。これで凱旋門賞は日本勢3度目の2着。それでも、オルフェーヴルがロンシャンで見せた雄姿は語り継がれていく事でしょう。私が生きているうちに日本馬が凱旋門を制するところを見たい…。