3歳牝馬の三冠シリーズ最終戦・第17回秋華賞(GI・芝2000m 18頭立て)が14日、京都競馬場で行われました。今年は桜花賞&オークスの二冠を制し、史上4頭目の牝馬三冠制覇に王手をかけた⑭ジェンティルドンナ、3戦連続2着で「打倒ルドンナ」に執念を燃やす①ヴィルシーナ、札幌のクイーンステークスで古馬を破った⑰アイムユアーズ、チューリップ賞でルドンナに勝った⑩ハナズゴール、他にもオークス3着⑫アイスフォーリス、2連勝でGI初挑戦の④ハワイアンウィンド、京都2000mで勝利経験がある②アロマティコ、⑮ミッドサマーフェア、⑦トーセンベニザクラ、⑤ラスヴェンチュラスなどが参戦しました。
レース直前の単勝オッズは、ジェンティルドンナが単勝1.3倍と圧倒的な1番人気。2番人気はヴィルシーナで6.1倍。単勝1ケタ台は上位2頭のみで、3番人気以降はアイムユアーズ、ハワイアンウィンド、ミッドサマーフェア、アロマティコ、トーセンベニザクラと続きました。
レースは好スタートを切ったヴィルシーナが押しながら先頭を狙うが、⑬メイショウスザンナが鼻を奪います。しかしゴール板通過~1コーナーをカーブしたところでヴィルシーナが先頭に立ちました。注目のジェンティルドンナは中団からの競馬となりました。1コーナーから向正面に差しかかり、ヴィルシーナがレースを引っ張り、スザンナが2番手につけ、3番手アイスフォーリス、4番手⑧キャトルフィーユ、5番手⑨ダイワズーム、6番手の位置にアイムユアーズと⑪サンシャイン。中団グループにベニザクラ、ルドンナ、ハワイアンウィンド10番手。すると後方から⑥チェリーメドゥーサが一気に進出し、ヴィルシーナをかわして先頭に立つと、そのまま後続を引き離して一人旅。12番手グループには②アロマティコ、⑯サトノジョリー、ミッドサマーフェア。その後ろの15番手集団には③ブリッジクライム、ハナズゴール、⑱オメガハートランド、最後方に⑤ラスヴェンチュラスという展開。
内回り3コーナーに入り、後続を突き放したメドゥーサが独走で逃げ続け、ヴィルはまだ2番手で我慢。ジェンティルドンナは4コーナーで早くも岩田騎手の鞭が入る。残り400mを通過して最後の直線に差し掛かり、チェリーメドゥーサが大差のリードを保ったまま先頭をキープ。ヴィルシーナとルドンナはまだ来ず、このまま逃げ切って大金星を挙げてしまうのか?残り200mを切ったところで大外からジェンティルドンナが猛追し、ヴィルシーナも伸びてきて、ゴール前で粘るメドゥーサをかわし、2頭並んでゴールイン!最後はディープインパクト産駒の牝馬2強の一騎打ち、ジェンティルドンナ3冠達成か?それともヴィルシーナが最後の1冠を手にしたのか?
全着順&払戻金
1着⑭ジェンティルドンナ 2分00秒4
2着①ヴィルシーナ ハナ
3着②アロマティコ 1馬身1/2
4着③ブリッジクライム 1/2馬身
5着④チェリーメドゥーサ ハナ
6着⑰アイムユアーズ ハナ
7着⑪サンシャイン 3/4馬身
8着⑨キャトルフィーユ アタマ
9着⑦トーセンベニザクラ 1馬身3/4
10着⑤ラスヴェンチュラス アタマ
11着⑮ミッドサマーフェア ハナ
12着③ダイワズーム 1/2馬身
13着④ハワイアンウインド アタマ
14着⑯オメガハートランド 3/4馬身
15着⑫アイスフォーリス 1馬身1/4
16着⑩ハナズゴール 2馬身1/2
17着⑯サトノジョリー 1/2馬身
18着⑬メイショウスザンナ 2馬身
払戻金
単勝 14 130円
複勝 14 110円 1 130円 2 410円
枠連 1-7 230円
馬連 1-14 250円
馬単 14-1 300円
ワイド 1-14 150円 2-14 590円 1-2 1130円
3連複 1-2-14 1990円
3連単 14-1-2 3660円
写真判定の結果、ジェンティルドンナがハナ差で1着となり、秋華賞を制して牝馬三冠制覇を成し遂げました。1986年のメジロラモーヌ、2003年のスティルインラブ、2010年のアパパネに次ぎ、史上4頭目の三冠牝馬誕生です。ヴィルシーナはルドンナに並んでゴールし、今度こそ勝ったかと思われましたが2着惜敗。これで4戦連続2着、実力がありながらもGIタイトルが届きそうで届かない。ロシア語で「頂上」の意味を持つ馬名なんだから、次こそは「頂点」=GI初勝利を願うばかりです。
あと、向正面で後方から一気に先頭まで進出し、その後突き放して大逃げを打ったチェリーメドゥーサは、残り50m辺りでジェンティルドンナとヴィルシーナに抜かれましたが、5着でゴールしました。この馬は秋華賞を大いに盛り上げましたな。
優勝したジェンティルドンナに騎乗した岩田康誠騎手は、昨年のアヴェンチュラに続いての秋華賞制覇(騎手の連覇は史上初)で、同レース通算3勝目(武豊騎手と並びタイ記録)。JRA・GIは今年5勝目となりました。来週は菊花賞でディープブリランテに騎乗し、自身初のGI3連勝を狙います。そんな岩田騎手ですが、本馬場入場の時に馬から落ちるというアクシデントに見舞われ、その影響で右足首を捻挫。表彰式の時には足を引きずる姿が撮られていました。大事に至らなくてよかったですね。
ルドンナはスタートから中団をキープしていたけど、内回りの3コーナー~4コーナーの辺りではチェリーメドゥーサとの差が結構あったので、これ勝てないんじゃないかと見ていて心配でした。しかし、大外から猛追し、逃げるメドゥーサを捕らえ、ヴィルシーナに競り勝ちました。馬場入りでの落馬、ゴール前の接戦とヒヤヒヤが相次ぎながらも執念でもぎ取った勝利と言えるでしょう。岩田騎手も検量室に戻る時に勝利を確信し、勝った瞬間石坂正調教師と握手を交わしていました。
3歳牝馬のGIを完全制覇し、次の目標はエリザベス女王杯かジャパンカップのどちらかに挑戦するでしょう。JCか有馬記念でオルフェーヴルとの直接対決が見たい!ウオッカやブエナビスタのような「女傑」に進化し、今後もさらにGIを勝ってほしいですな。来年の秋には凱旋門賞挑戦できれば…。
来週・21日は京都競馬場で3歳牡馬クラシック最終戦・菊花賞があります。皐月賞馬・ゴールドシップ、ダービー馬・ディープブリランテのGI馬2頭の他に、目下3連勝中のステイゴールド産駒・フェデラルホール、こちらも3連勝のタガのビッグバン、マウントシャスタ、ダノンジェラート、コスモオオゾラなどが登録しています。GI馬が2冠目を獲るのか、それとも伏兵が勝つのか?3000mの長丁場の戦いに乞うご期待。