5日の「NHKマイルカップ」を前日に控えた4日(みどりの日)は、日本ダービーに向けてのステップレースが東西であり、東京競馬場ではダービートライアルのプリンシパルステークス、京都競馬場では3歳重賞の京都新聞杯が行われました。ダービーへの最後の切符を手にしたのは一体どの馬だったのでしょうか?
京都メイン・第61回京都新聞杯(GⅡ 芝2200m)は16頭が出走。前走の毎日杯で重賞初勝利を挙げた⑤キズナが、ダービー出走を目指して参戦。他にも皐月賞7着①マズルファイヤー、3戦2勝の⑨リグヴェーダ、毎日杯6着⑥サトノキングリー、京成杯2着④アクションスター。⑩ライジングゴールドなどが重賞初勝利に挑みました。
スタンド前でのスタートで、リグヴェーダがやや出遅れ。キズナも後方からの競馬。先行争いで⑭ウインアルザスと⑮キングデザイヤーがお互い押しながら先手を取り合う。⑯ヒルノドンカルロが3番手、マズルファイヤーとサトノキングリーは5番手グループの中、リグヴェーダ後方から2頭目、キズナは最後方でゴール板を通過。1コーナーを回ったところで早くも縦長の展開となり、ウインアルザスが先頭でレースを引っ張り、キングデザイヤーが2番手。少し離れた3番手に⑧ペプイドアマゾン、ドンカルロ4番手、マズルファイヤー5番手、6番手にサトノキングリーが追走。7番手集団には、⑪ハッピーモーメント、ライジングゴールド、⑬シンネンの3頭。その後ろの10番手辺りに⑫ジャイアントリープと④アクションスターがつけている。中団より後ろの12番手グループは、リグヴェーダ、②サンガヴィーノ、③サンライズピークの3頭が横並び。キズナはまだ15番手、⑦ニホンピロバロンがしんがり追走。
外回り3コーナーに入り、前で逃げるアルザスとデザイヤーの2頭が後続を引き離し、マズルファイヤー4番手、リグヴェーダとキズナはまだ後方。4コーナーから最後の直線に差し掛かり、先頭争いでは内からジャイアントリープ、間にウインアルザス、外ペプチドの3頭が激しく競り合い、シンネンも必死に猛追。馬場の真ん中にハッピーモーメント、外からハッピーモーメント、さらにキズナもやってきた!大外からグイグイ追い込み、ラスト100mで前の馬たちをまとめてごぼう抜き!一気の差し切りで先頭ゴールイン!キズナ重賞2連勝でいざダービーへ!
京都新聞杯はキズナが単勝1.4倍の圧倒的な1番人気にしっかりと応えて優勝。毎日杯に続いての重賞連覇を果たしました。2着にはペプチドアマゾン、3着にはジャイアントリープが入りました。2番人気だったリグヴェーダはブービーの15着大敗。なお、ディープインパクト産駒は2年連続で同レース制覇です。、
いや~、キズナの強烈な末脚には恐れ入りました。この馬のキャリアの中でベストパフォーマンスといえる走りでした。強いというか、凄いというか、ハンパねえわ。最後方からスタートし、最後の直線に入った時もまだ後方だったので「届くのか?」と思いましたが、大外から一気に突き抜け、最後は流すようにゴールイン。ラスト3ハロンは16頭中最速の34.5秒。直線での脚色が他馬とは全然違いましたもん。これまでに1800mで3勝を挙げ、2000mのレースでは2戦未勝利だったけど、2200mで圧巻の走りを披露。距離延長クリアで、ダービーでも期待できそうな予感。府中の長い直線で豪快な追い込みをもう一度見てみたいですね~。
東京メイン・プリンシパルステークス(3歳オープン 芝2000m)は11頭立てで争われました。1着しかダービーの優先出走権が与えられないこのレースには、4戦2勝の⑨ミエノワンダー、スプリングステークス6着の⑤サーストンニュース、皐月賞10着⑦インパラトール、⑩ジューヴルエール、⑧マジェスティハーツなどが参戦しました。
スタートは目立った出遅れはなし。先行争いで⑥サムソンズプライドが早くも抜け出して先頭をキープ。サーストンニュースが2番手につけ、3番手にミエノワンダーと④トルークマクトが並走。③アルバタックスが5番手、6番手にジューヴルエール、7番手②ガチバトル、マジェスティハーツ8番手。後方はインパラトール9番手、後方2番手に⑪メイショウブシン、①デインツリーが最後方追走。
先頭で逃げるサムソンズプライドは、前半1000mを1分2秒台で通過。スローペースだ。サーストンが依然として2番手、ミエノワンダー単独3番手に浮上。マジェスティハーツとインパラトールが後方で控えている。これは直線勝負か?4コーナーのところでミエノワンダーとサーストンニュースがサムソンズプライドに迫る。直線コースに入り、残り400mを切ってもサムソンズが先頭を走り続ける。間からトルークマクト、真ん中のサーストンとミエノ、大外のマジェスティも懸命に追い上げる。ところが残り100mでサーストンニュースが突然故障発生。ゴール前でミエノワンダーがサムソンズプライドに差を詰め、最後は2頭が並ぶような態勢でゴールしたが、わずかに内のサムソンズプライドが先着しました。
日本ダービー最後の優先出走権を手にしたのは、単勝7番人気の伏兵・サムソンズプライドでした。スタートから鼻に立ち、終始先頭で走り続け、ミエノワンダーの猛追を抑えて1着になりました。1番人気のミエノワンダーはクビ差の2着に敗れ、ダービーの夢を逃しました。2番人気だったマジェスティハーツは3着、3番人気・インパラトールは7着に敗れました。なお、最後の直線で馬体に故障を発生して競走中止となったサーストンニュースは、左第3中手骨開放骨折で予後不良となってしまいました。
勝ったサムソンズプライドは、父が2006年のダービー馬・メイショウサムソン、母の父はエルコンドルパサーという血統。昨年7月にデビューするも9着と惨敗。未勝利戦で3着が4回あり、9戦目でようやく初勝利。10戦目の山藤賞で2連勝、今回のプリンシパルで逃げ切り勝ちを収めて見事3連勝となりました。メイショウサムソン産駒からGiに出走できる馬がようやく現れましたね。
というわけで、ダービーに繋がる重要なステップレースが全て終わりました。皐月賞からロゴタイプ、エピファネイア、コディーノの3頭、青葉賞からはヒラボクディープとアポロソニック、プリンシパルステークス・サムソンズプライドがダービー優先出走権を獲得。トライアル競争に入っていない京都新聞杯を制したキズナもダービーに出走することは間違いないでしょう。ダービー当日はロゴタイプが人気を集めそうで、キズナが「打倒ロゴ」の1番手となるかもしれません。ロゴタイプがダービーも制して2冠&GI3連勝か?あるいはキズナとエピファ、コディーノあたりが2冠を阻止するか?5月26日のダービーまであと21日。