春の最強牝馬決定戦・第8回ヴィクトリアマイル(GI・芝1600m 18頭立て)が12日、東京競馬場で行われました。昨年の年度代表馬・ジェンティルドンナ不在ということで、混戦が予想された今年のVMは、GI4戦連続2着の⑪ヴィルシーナが悲願のGI初制覇を狙い、阪神牝馬ステークスを勝った⑰サウンドオブハート、京都牝馬ステークスを制した④ハナズゴール、福島牝馬S覇者②オールザットジャズ、中山牝馬Sを勝った①マイネイザベル、愛知杯覇者⑱エーシンメンフィスといった「牝馬重賞ウィナー組」、さらにはエリザベス女王杯を勝った⑬レインボーダリア、昨年の勝ち馬⑧ホエールキャプチャ、昨年2着の⑥ドナウブルー、重賞2勝の⑨アイムユアーズ、2011年2歳女王③ジョワドヴィーヴル、重賞4勝のベテラン牝馬⑮フミノイマージンなどが参戦しました。
レース直前の単勝の上位人気は、⑪ヴィルシーナが1番人気(3.1倍)、2番人気はハナズゴール(4.4倍)、3番人気のサウンドオブハート(6.8倍)までが10倍を切り、4番人気以降はジョワドヴィーヴル、マイネイサベル、⑩イチオクノホシ、ドナウブルー、オールザットジャズと続きました。
向正面からのスタートで、ヴィルシーナがポンと飛び出したが、アイムユアーズが徐々に押し上げて先手を取る。3番手に⑯メーデイア、4番手にマイネイザベル、ドナウブルー5番手追走、その外側にサウンドオブハートがつける。7番手グループに⑦アドマイヤセプター、オールザットジャズ、⑤ザッハトルテ、イチオクノホシの3頭が一団。中団の10番手集団にイチオクノホシ、ハナズゴール、ホエールキャプチャ。エーシンメンフィス13番手、ジョワがその内の14番手、後方の15番手集団には⑫ゴールデングローブ、イマージン、ダリアが並走し、⑭アロマティコが最後方追走。
残り800mを過ぎ、先頭のユアーズは前半800mを46秒台で通過。ヴィルシーナは2番手に控えていて、メーデイア依然として3番手。18頭がひと塊の状態で4コーナーから直線コースに入るが、後方でフミノイマージンが故障発生して競走中止。残り400mを切ってもアイムユアーズが先頭を走り、イサベルとヴィルシーナが並びかける。さらに外からサウンドオブハート、ホエール、イチオクノホシが追い込んでくる。残り200mでマイネイサベルがわずかに前に出るが、ラスト100m~ゴール前でヴィルシーナとホエールキャプチャがイサベルを捕らえてし、最後は2頭並んでゴールイン!ヴィルシーナ悲願のGI初制覇か?それともホエールが史上初のヴィクトリアマイル連覇か?
全着順&払戻金
1着⑪ヴィルシーナ 1分32秒4
2着⑧ホエールキャプチャ ハナ
3着①マイネイサベル 1/2馬身
4着③ジョワドヴィーヴル 1/2馬身
5着⑥ドナウブルー 1/2馬身
6着④ハナズゴール クビ
7着⑫ゴールデングローブ クビ
8着⑨アイムユアーズ アタマ
9着⑱エーシンメンフィス 1/2馬身
10着⑭アロマティコ クビ
11着⑩イチオクノホシ アタマ
12着⑬レインボーダリア クビ
13着②オールザットジャズ クビ
14着⑰サウンドオブハート 1/2馬身
15着⑦アドマイヤセプター クビ
16着⑤ザッハトルテ クビ
17着⑯メーデイア 1馬身1/4
中止⑮フミノイマージン
単勝 ⑪ 310円
複勝 ⑪ 150円 ⑧ 1,020円 ① 360円
枠連 【4】-【6】 4,730円
馬連 ⑧-⑪ 8,030円
馬単 ⑪-⑧ 12,600円
ワイド ⑧-⑪ 2,570円 ①-⑪ 870円 ①-⑧ 7,150円
3連複 ①-⑧-⑪ 35,770円
3連単 ⑪-⑧-① 193,570円
今年のヴィクトリアマイルは、ゴール前でヴィルシーナとホエールキャプチャが並ぶという大接戦となりましたが、ヴィルシーナが競り合いを制して1着となり、「春のマイル女王」の座に輝きました。ホエールキャプチャは上手く馬群を抜け出し、マイネイサベルを捕らえたけど、ヴィルシーナにあと一歩届かず。ハナ差の2着に敗れました。3着のマイネイサベルは、一旦は先頭に立って「柴田大知騎手がGI2連勝か!?」と思ったけど、最後はかわされて3着。大知騎手は先週のNHKマイルカップを勝ち、今週のVMで3着とGIで健闘してますね。大外からグイッと追い込んで4着に入ったジョワドヴィーヴルは、復活の兆しが見えたと思います。2番人気だったハナズゴールは6着、3番人気だったサウンドオブハートは14着に沈み、レース後に左前肢(?)に故障していたことが発覚。なお、最後の直線に入ったところで競走を中止したフミノイマージンは、右第1指関節脱臼で予後不良となりました。
優勝したヴィルシーナに騎乗した内田博幸騎手は、今年のGI競走初勝利で、ヴィクトリアマイル初制覇。管理する友道康夫調教師も同レース初勝利。友道厩舎は先週の新潟大賞典でパッションダンスに続き、2週連続で重賞制覇となりました。そして馬主である佐々木主浩さんは、馬主デビュー6年目で悲願のGI初勝利です。「ヴィルシーナ」の名付け親である加奈子夫人(元タレント・旧姓・榎本)も勝利の瞬間、うれし涙を流していたそうです。
ヴィルシーナは昨年のクイーンカップで勝った時、「クラシックのGIも獲れるだろう」と思っていましたが、3歳牝馬3冠レース全てでジェンティルドンナの2着。特に秋華賞ではハナ差で敗れてますからなあ。エリザベス女王杯でも2着に終わり、「4戦連続GI2着」という珍記録も作りました。今回のヴィクトリアマイルでも、ゴール前でホエールキャプチャに並ばれたときは、「また2着か!?」と思いましたよ~。5度目のGI挑戦で待望の初制覇、「シルバーコレクター」という称号も返上できてよかったですね。クイーンC以来約1年3か月ぶりの勝利で通算4勝目、府中マイルでは2戦2勝。次なる目標は安田記念or宝塚記念のどちらかとなるでしょう。おそらくだけど、コースの相性の良さで安田に向かうかもしれない。
来週・19日は、東京競馬場で3歳牝馬クラシック第2戦・第74回オークスが行われます。桜花賞馬・アユサンは丸山元気騎手とのコンビで牝馬2冠に挑戦。桜花賞2着だったレッドオーヴァルはクリスチャン・デムーロ騎手が騎乗。フローラステークスを勝ったデニムアンドルビー、スイートピーステークスを制したリラコサージュ、重賞2戦連続2着のエバーブロッサムといった「トライアル組」、桜花賞からの巻き返しを狙うクロフネサプライズ、フラワーカップを勝ったサクラプレジール、2歳女王・ローブティサージュ、他にもトーセンソレイユ、プリンセスジャック、忘れな草賞の勝ち馬・セレブリティモデルなどが出走登録しています。オークスも桜花賞同様混戦モード、どの馬が勝つのかまったくわかりません。