マンチェスター・ユナイテッドのファーガソン監督が勇退。後任人事はどうなる？

日本時間８日、イングランドから全世界のサッカーファンが衝撃を受けるニュースが飛び込んできました。2012‐2013シーズンのプレミアリーグで優勝したマンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督（71歳）が、今季限りで退任することが発表されました。


ファーガソン監督はクラブの公式HPで退任に関するコメントを発表し、「引退は考え抜いた末の決断で、今が適切なタイミングだと思った。チームが強い状態の時に離れることが重要だった。」と退任の理由を説明し、苦渋の決断であると強調。また、「現在、そしてこれまでともに戦ってきた選手とスタッフ全員に感謝の気持ちを伝えたい」、「ファンにもありがとうと言いたい。長年に渡って提供してくれたサポートは素晴らしいもので、皆さんのクラブを率いることができ、とても光栄でした」とチームに関わる人たちやマンUサポーターに感謝の意を表しました。
日本時間５月19日に行われる第38節のウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン（WBA）戦が監督としての最後の試合となり、監督退任後はチームディレクターおよび親善大使（アンバサダー）としてクラブに残るとのことです。

ファーガソン監督はスコットランド出身で、現役時代はスコットランドの名門・レンジャーズなどでプレーし、1974年に現役引退後に指導者の道を歩み、1985年にスコットランド代表監督を務めました。1986年にマンチェスター・ユナイテッドの監督に就任し、約27年間で28個のタイトルを獲得。リーグ優勝13回、FAカップ５度優勝、UEFAチャンピオンズリーグ２度も制覇。1999年にはプレミアリーグ、FA杯、チャンピオンズリーグの３冠制覇を成し遂げ、その実績が認められて2000年に大英帝国勲章（ナイト）を授与されました。2008年にはFIFAクラブワールドカップ優勝に導きました。


マンチェスター・ユナイテッド一筋27年のファーガソン監督が、体力の限界までユナイテッドの監督を続けるだろうと思っていましたが、「その時」が突然来るなんて正直驚きました。クラブの歴史において一つの時代に幕が下ろされるんですね…。サッカーの監督はわずか１試合で解任される人もいれば、５年以上の長期政権を築く監督（名古屋・ストイコビッチ監督、仙台・手倉森監督は今季６年目）と様々ですが、１つのチームで四半世紀以上に渡って指揮を執る人は、世界中でファーガソン監督しかいないんじゃないかと思います。71歳の高齢、自らの健康不安説（臀部手術という報道がありました）と退任の理由はいくつかありますが、マンUをプレミアリーグの常勝軍団にした功績は非常に大きいです。香川真司選手も偉大なる監督のもとでプレーできて本当に幸せを感じていることでしょう。
後任については、エヴァートンの監督を務めるデイヴィット・モイーズ氏、レアルマドリード（スペイン）のジョゼ・モウリーニョ監督、ボルシア・ドルトムント（ドイツ）のヨルゲン・クロップ監督などが候補に挙がっています。イギリスの一部メディアでは、「48時間以内に決まるだろう」と言われているそうですが、そんなに早く決まるものなの？新監督次第では、香川選手の処遇に影響が出るかもしれません。それに、次期監督は何かと前任者と比較されるだろうから、とてつもないプレッシャーが来るに違いない。ファーガソンが辞めた後、チームが弱くなったら最悪だろうなあ。まあ、マンUはそんなことはないだろうと思うけど。
名将・ファーガソン監督の見納めまであと２戦。残り試合も連勝して有終の美を飾れるといいですね。27年間本当にお疲れさまでした。