16日のオランダとの親善試合で2-2のドローと健闘したサッカー日本代表は、日本時間20日早朝にベルギー・ブリュッセルのボードゥアン国王競技場に乗り込んで、ベルギー代表との親善試合を行いました。対戦相手のベルギーは、W杯の欧州予選を10戦無敗(8勝2分け)で本大会出場を決め、最新のFIFAランクでは5位につけています。予選開幕前の2012年8月の時点では53位でしたが、わずか1年でW杯の第1シード入りするまで大躍進しました。ザックJAPANにとって今年のラストゲームだった今回の試合、アウェーで強豪を破って2013年を締めくくれたのか?
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GK 1 川島永嗣
DF 22 吉田麻也
DF 6 森重真人
DF 21 酒井宏樹
DF 3 酒井高徳
MF 17 長谷部誠
MF 16 山口螢
MF 4 本田圭佑
FW 8 清武弘嗣
FW 10 香川真司
FW 11 柿谷曜一朗
この日の日本は、前回のオランダ戦から先発メンバーを6人も入れ替え、DFは右サイドバックに酒井宏樹、左サイドバックに酒井高徳、森重がセンターバックに入りました。全回途中出場の香川と柿谷も先発復帰。対するベルギーは、チェルシー所属のアザール、エースのルカクなどがスタメン入りしましたが、マンチェスター・ユナイテッド所属のフェライニはベンチスタートでした。
ベルギーボールで始まった前半、開始直後にベルギーにいきなりチャンスが訪れます。ミララスが吉田からボールを奪うと、ドリブルで持ち込んでからシュートを打ったが、日本DFに当たってGK川島がボールをキャッチ。日本は前半4分、左サイドで細かくパスを繋ぎ、柿谷がペナルティエリア手前からシュートを狙うも、相手の足に当たり、ゴール右に逸れる。その1分後、柿谷が左サイドで仕掛けるもシュート打ちきれず。前半15分、ベルギーは自陣でボールを奪うと、中盤でアザールが前線へ縦パス→左サイドのルカクがボールに追いつくと、不用意に飛び出したGK川島をかわしてグラウンダークロスを入れ、ゴール前でミララスが余裕でゴールに押し込み、ベルギーが1点を先制します。
1点を追いかける日本は24分、右サイドでFKを獲得し、本田のセンタリング→酒井宏樹が飛び込むも合わせられず、ボールは左へ外れる。29分、左CKをショートで繋ぎ、本田の縦パス→香川がPA内でベルギーDFを1人かわすが、左足シュートはポスト直撃。31分にはゴール正面でのFKを本田が低い弾道で狙ったが、ベルギーGK・ミニョレのセーブに阻まれる。そして37分、右サイドで本田が前線まで上がって来た酒井宏樹へパスを送り、宏樹ダイレクトクロス→柿谷のヘディングシュートが決まり、1-1と試合を振り出しに戻します!
前半アディショナルタイム、香川が中盤で相手ボールを奪ってからカウンターを仕掛け、ドリブル突破から左サイドにいた柿谷へスルーパス。柿谷はボールをキープしてから、中央へ走り込んで来た長谷部へパスを送り、長谷部がダイレクトで右足を振り抜いたが、ミドルシュートはGKの右手に阻まれて勝ち越しならず。前半は1-1で終了。
後半に入り、日本は山口に代えて遠藤保仁、清武→岡崎慎司を同時投入。後半5分、日本は香川&柿谷のワンツー→香川が後ろへ落とし、遠藤の右足ミドルは枠外。その3分後の後半8分、左サイドで遠藤パス→香川がスルー→中央にいた本田が右足でシュート!これがゴール左隅に突き刺さり、日本が2-1と逆転!更に後半18分、右サイドで酒井宏樹のパスを受けた長谷部がドリブルから前線へ折り返し、柿谷がボールをふわりと浮かせ、最後は岡崎が右足でボレーを決めて3点目!3-1と突き放します。
2点を追うベルギーは、後半31分に右CKをファン・ブイテンが頭で合わせるもクロスバー直撃。34分には右サイドのスルーパス→フォッセンがシュートを打つが、GK川島がブロック。こぼれ球をもう一度フォッセンが狙ったが、DF吉田が体を張ってクリア。続く右CKをアルデルワイレルトが高さのあるヘディングシュートが決まり、3-2と1点差。後半アディショナルタイム、日本のパスミスからベルギーがカウンターを仕掛け、左サイドのクロス→デブルイネが右足シュートを放ったが、川島がしっかり抑えた。その後もベルギーが猛攻を見せるも、日本が守り抜いて試合終了。日本がアウェーでベルギーに競り勝ちました!
「さすがに日本が5位の国を相手に勝てるわけないよなあ」と思って、試合を見ずに寝てましたが、まさか日本が勝ったなんて信じられません。先制されながらも、柿谷選手のヘッドで同点に追い付き、後半には本田選手の2試合連続ゴール&岡崎選手の追加点が飛び出して、ベルギーのサポーターを沈黙させました。代表戦で久々にゴールを決めた柿谷選手は、泥臭いプレーで同点ヘッドを決めれば、相手DFをあざ笑うかのような美しいパスで岡崎選手の3点目のゴールをアシスト。先日のオランダ戦ではチャンスで決められなかったけど、今回はその汚名をしっかりと返上しました。それに柿谷選手が意外とジャンプ力が高くて驚いたわ。
今回の欧州遠征は2試合で1勝1分けという結果に終わりました。この2連戦は若手選手が存在感を示し、オランダ戦では大迫選手が2得点に絡み、ベルギー戦では柿谷選手が1ゴール1アシスト、内田選手に代わって出場した酒井宏樹選手が1点目をアシストして先発起用にしっかりと応えてみせました。それに山口選手が2試合連続でスタメン入りを果たしました。
これでザックJAPANの2013年の全ての戦いは終了。今年は19試合戦って8勝8敗3分け。W杯アジア最終予選では、6月のオーストラリア戦でW杯本大会出場を決め、勝ち点17で首位通過。しかし、アジア王者として出場したコンフェデレーションズカップでは、守備が崩壊して3戦全敗。国内組で臨んだ東アジアカップでは、韓国やオーストラリアに勝って優勝を果たしました。10月の北欧遠征では何もできず連敗し、ザッケローニ解任論が浮上しましたが、オランダ戦で2点差を追い付いて引き分けに持ち込み、最終戦のベルギー戦で「金星」を挙げました。
今後の日程は12月6日にブラジルW杯の組み合わせ抽選会が行われ、W杯イヤーとなる2014年は、現時点で3月と5月に強化試合が行われる予定です。2大会連続ベスト16入り目指して頑張ってほしい!