24日に国際招待レース・ジャパンカップが控えておりますが、勤労感謝の日だった11月23日は、東西で2歳馬によるオープン競走が行われました。出世レースと言われている「京都2歳ステークス」には、昨年のセレクトセールで2億5千万円の高額で落札されたというトーセンスターダムが登場しました。
「京都2歳ステークス」は、⑨トーセンスターダムの他にも、新潟2歳ステークスとデイリー杯2歳ステークスで3着に入った⑤ピークトラム、デイリー杯4着の⑥アグネスドリーム、野路菊ステークス3着の③マイネルメリエンダ、ゼンノロブロイ産駒⑦サトノロブロイなど2歳馬9頭が出走しました。
スタンド前からのスタートで、トーセンスターダムがやや出遅れ、先行争いでアグネスドリームが馬場の真ん中から上がって先手を奪い、マイネルメリエンダが2番手につけ、サトノロブロイとピークトラムが3,4番手、スターダムは後方2番手でゴール板を過ぎて行きました。1,2コーナーを回り、アグネスドリームが単独でレースを引っ張り、ロブロイが2番手に上がり、3番手メリエンダ、その外にピークトラムが4番手。5番手に紅一点の④ヤマニンアリエッタ、⑧マコトサダイジンが6番手、7番手①シャンパーニュ、その後ろの8番手に注目のトーセンスターダムが追走。集団から離された最後方を追走するのが②ラグタイム。
先頭を行くアグネスドリームは、前半1000mを60秒後半で通過。これはスローペースと言っていいだろう。内回り3コーナーでメリエンダとピークが3番手で並び、スターダムが追い出しにかかり、残り600mでサダイジンをかわし、4コーナー手前で大外に持ち出した。最後の直線に入り、アグネスドリームがまだ逃げ粘り、外からピークトラムとトーセンスターダムが追い込む。ラスト100mを切ってでサトノロブロイらを抜いて2番手に上がると、ゴール前でアグネスドリームを捕らえ、ほぼ並んでゴール。最後はスターダムが交わして1着となりました。
GⅠ馬への登竜門・京都2歳ステークスは、単勝1.5倍の圧倒的1番人気に支持されたトーセンスターダムが、人気にしっかり応えてみせました。道中は後方2番手でレースを進め、最後の直線で大外から鋭い末脚を放ち、最後は逃げるアグネスドリームをゴール手前でかわし、差し切り勝ちを決めました。勝ったトーセンスターダムは、10月21日の新馬戦に続いて2連勝。勝ちタイム・2分0秒8は、京都2000mの2歳コースレコードに0.1秒迫る好タイムです。鞍上の武豊騎手も「強いねえ。素質は間違いなく良いものを持ってる」と絶賛。
トーセンスターダムは、父・ディープインパクト、母・アドマイヤキラメキという血統で、トーセンジョーダンを叔父に持っています。デビュー前は「2億5千万円ホース」の肩書きを持っていて、なんとなく話題先行のイメージが強かったけど、無傷の2連勝で実力があることを示しました。次走は「ラジオNIKKEI杯2歳ステークス」に向かうんじゃないかと思います。次のレースも勝てば、2014年のクラシック戦線の主役になるでしょう。
「セレクトセールの高額馬は走らない」というジンクスがありまして、過去には4億9000万円で落札されたザサンデーフサイチは38戦走って3勝止まり、「3億6000万円」だったラストグルーヴは新馬戦で勝ったけど、それ以降脚のケガもあって休養中。「3億3500万円」のトーセンダンスはわずか1戦で引退。2000年に「3億2000万円」で落札されたカームは、中央で未勝利→地方へ移籍しました。トーセンスターダムはこのジンクスを打ち破り、落札額以上の賞金を稼ぐことができるのでしょうか?
一方、東京競馬場の「オキザリス賞」(ダート1600m・16頭立て)は、②アジアエクスプレスが圧巻のパフォーマンスを披露。道中は2番手で追走すると、直線残り400mで逃げる⑫ペアンを抜いて先頭に立ち、あとは後続との差をぐんぐん拡げ、最後は2着に7馬身差の圧勝でフィニッシュ。アジアエクスプレスは11月3日の新馬戦に続き2連勝。新馬戦の時は5馬身差をつけて勝ちましたが、今回は前走以上のぶっちぎりで完勝。「オキザリス賞で後続を置き去りっス」なんてね。
アジアエクスプレス=「アジアの超特急」という意味だから、名前の通り脚が速くて強いですね。管理する手塚貴久調教師によると「川崎の全日本2歳優駿と朝日杯フューチュリティステークスの両睨みで行く」とコメント。ダートと芝の2歳GⅠに登録するけど、恐らく川崎の方に向かうと思います。この馬、恐らく大物になるかもよ。