2月3日にハビエル・アギーレ前監督がスペインでの八百長疑惑により解任され、それから1ヶ月以上の間、サッカー日本代表の後任人事は難航を極めましたが、バヒド・ハリルホジッチ氏が新監督に就任することとなりました。低迷を続ける日本代表の救世主となれるでしょうか?
今月5日にハリルホジッチ氏と基本合意したと発表された後、12日の日本サッカー協会の理事会で承認されて正式決定。一夜明けた13日、ハリルホジッチ氏が来日し、夕方に都内のホテルで就任会見に臨みました。
まず第一声で「こんにちは」と日本語で挨拶すると、「ここに来ることができてとてもうれしい。日本代表で大きなことを成し遂げたい」と抱負を語りました。日本を選んだ理由の質問には、「自分のメンタリティに似たものを持っていて、厳しさ、規律、人を尊敬すること、真面目さなどフットボール界で大事なものを兼ね備えていると思ったから」と答えました。目標としては「ロシアW杯に出場して、決勝トーナメントを目指す」と宣言。また、「日本は過去にFIFAランキングで20位より上はいたと思うから、順位をそこまでは上げたい」と「FIFAランク20位以内」の目標を掲げました。
新監督の初陣となる27日のチュニジア戦(@大分)と31日のウズベキスタン戦(@味の素スタジアム)についての意気込みも語り、「私は負けることが大嫌いだ。いつも口にする一言目は勝利だ」と発言。「この2試合は絶対に勝利しないといけない。6月のW杯予選に向けて最高の試合にしたい」と誓いました。代表メンバーの選考については、アギーレ体制時のアジア杯メンバーを中心に選ぶと明言。さらに今後は「スター選手でもチームのために仕事してもらう」と特別待遇を無くし、「できるだけ多くの選手にチャンスを与えたい」と述べました。
ハリルホジッチ氏は、1952年10月15日にボスニア・ヘルツェゴビナで生まれ、現役時代はFWとして活躍し、1982年のW杯ではユーゴスラビア代表として出場しました。引退後はボスニアに戻るも、ボスニア紛争によりフランスに渡り、95年にフランス国籍を取得しました。
監督としては、ラジャ・カサブランカ(モロッコ)、リール、パリ・サンジェルマン(フランス)などで監督を歴任。2008年にコートジボワール代表に就任するも、2010年アフリカネイションズカップでの成績不振を理由に解任。2011年からアルジェリア代表監督を務め、2014年のブラジルW杯では同国初のベスト16入りに導きました。退任後はトルコのトラブゾンスポルで指揮を執るも、わずか4ヶ月で辞任しました。
ハリルホジッチ新監督就任と同時にコーチングスタッフも発表され、コーチにはジャッキー・ボヌベー氏、フィジカルコーチにシリル・モワンヌ氏を起用。この2人はトラブゾンスポルで指揮官と一緒に仕事しておりました。また、アギーレ体制のGKコーチだったリカルド・ロペス氏の留任も決定しています。
ようやく新監督が決まりましたねえ。「ハリルホジッチ」という名前を初めて知る方もたくさんいると思われます。もちろん私もその中の1人です。八百長のアギーレさんとは違い、クリーンなイメージがありそうな気がします。「日本をFIFAランク20位以内に押し上げる」という発言については、結構強気だなあという印象を受けます。現在日本の最新ランクは53位だから、20位までには30ランク以上も押し上げなければなりません。「アルジェリアのときは、52位から始まり、3年後には17位までになった」と仰ってましたが、日本もアルジェリアみたいに躍進できるのかな?
ハリルホジッチ監督は今度のチュニジア戦から指揮を執るので、とりあえずは新監督の「お手並み拝見」という感じで見ていきたいなと思います。新監督には弱い日本代表を立て直してもらいたいし、本田圭佑や岡崎慎司らといったザッケローニ体制からの主力に頼らないチームを作ってほしい。そして、日本をロシアW杯出場に導いてください。