「2017 明治安田生命J1リーグ」は2日、第34節の9試合が全国各地で行われました。今年2月に始まった2017年のJ1リーグも、残すところあと1試合。優勝争いは鹿島アントラーズ(勝ち点71)と川崎フロンターレ(勝ち点69)の2チームに絞られました。この日の試合で鹿島が勝てば文句なしで2連覇達成。川崎勝利&鹿島引き分けの場合は勝ち点で並びますが、得失点差で上回る川崎が逆転優勝となります。栄冠を勝ち取るのは鹿島か、それとも川崎か?
〇川崎フロンターレ(勝ち点72)5-0大宮アルディージャ(勝ち点25)●@等々力陸上競技場
勝ち点2で追う2位・川崎は、前節でJ2降格が決まった大宮と対戦。悲願の初タイトル獲得のためにも、負けるわけにはいきません。
試合は開始早々に動きました。前半開始45秒に、MFエウシーニョが右サイドからドリブルで中央に持ち込んでからパスを送り、左サイドでボールを受けたMF阿部浩之が左足シュートを決め、早くも先制点を奪います。前半13分には左サイドのクロスにFW小林悠がシュートを狙うが、GKの正面を突く。迎えた前半アディショナルタイム、左サイドでチャンスを作り、MF家長昭博の左足クロス→ゴール前で小林が頭で叩きつけて2点目。川崎が前半に2点を奪います。
後半に入っても川崎の勢いは止まりません。後半15分にMF中村憲剛→阿部→家長クロス→最後は小林の右足スライディングシュートで3点目。さらに後半35分、DF車屋紳太郎が相手に倒されてPKを獲得し、小林がPKを決めて4点目。小林はこれでハットトリックを達成。後半終了間際には、カウンターから途中出場の長谷川竜也がダメ押しゴール。後半に3点を追加した川崎が、大宮に5-0と圧勝して勝ち点3を獲得しました。
△ジュビロ磐田(勝ち点58)0-0鹿島アントラーズ(勝ち点72)△@ヤマハスタジアム
連覇に王手をかけている鹿島ですが、前節の柏戦で0-0のスコアレスドロー。アウェーの磐田戦で勝利し、連覇を達成できるのか?
前半3分、磐田は左サイドでMFアダイウトンがクロスを上げ、ファーサイドにいたFW川又堅碁が頭で合わせたが、枠を捉えられず。鹿島は前半14分、アダイウトンと交錯したDF西大伍が足を負傷し、DF伊東幸敏が急遽入る。鹿島は前半で早くも交代枠を1枚使う羽目に。前半28分、磐田は右サイドから流れたボールを、中央にいたアダイウトンがシュートを放つも大きく外れる。押し込まれ気味だった鹿島は、前半44分に右CKからDF植田直通がヘディングシュートでゴールネットを揺らしたが、その前にDF昌子源がファウルを犯したため、ゴールは認められず。前半は無得点で折り返します。
優勝を決めるためにも1点が欲しい鹿島は、後半3分にFW金崎夢生が左サイドを突破してクロス→右サイドを走り込んだ伊東がシュートを狙うが、磐田GKカミンスキーに防がれる。後半7分には右サイドのクロスに金崎が飛び込むもシュートはゴール左に外れ、後半15分にはFW土居聖真がシュートを放つもGKに押さえられる。
鹿島は後半31分に鈴木優磨を投入すると、34分に味方のクロスに頭で合わせるも決められず。後半36分、MFレオ・シルバのパスを受けたMFレアンドロがドリブルで仕掛け、PA内でDFをかわしてシュートを打ったが、枠を捉えられず。後半37分にペドロジュニオールを投入。後半42分、右サイドの伊東のクロス→逆サイドの山本脩斗のヘディングシュートは大外れ…。最後まで攻め続けた鹿島だったが、磐田の堅い守備を崩し切れずタイムアップ。0-0の引き分けて勝ち点1止まり。
この結果、鹿島と川崎が勝ち点72で並びましたが、得失点差で川崎+39、鹿島+22となり、川崎フロンターレが2017年のJ1リーグ優勝を果たしました!2000年にJ1に初めて昇格してから、J1リーグ年間総合2位が3回、リーグ杯準優勝3回、天皇杯準優勝1回。今季もルヴァンカップ準優勝、天皇杯とACLでベスト8敗退。リーグ戦も33節まで2位につけていて、最終節で鹿島を抜いて逆転。「シルバーコレクター」と言われ続けてきた川崎が、ついに国内初タイトルを獲得しました。
今年の川崎フロンターレは、昨季まで指揮を執った風間八宏氏から鬼木達監督に代わり、エースだった大久保嘉人が退団。シーズン前半は一時9位まで下げ、17節終了時点で勝ち点32の5位でした。しかし、第20節から最終節まで15戦無敗(11勝4引き分け)と驚異の追い上げを見せました。今季から主将に就任した小林悠選手は、この日の大宮戦でハットトリックを達成。34試合で23得点を挙げて得点王に輝きました。
試合後のセレモニーでは、優勝シャーレの代わりに風呂桶を掲げるパフォーマンスも。優勝シャーレとトロフィーは、鹿島が優勝すると思ってヤマハスタジアムに持って行っちゃったのかな。長かった無冠の時代が終わり、いよいよこれからは黄金時代の幕開けとなるといいですね。
一方の鹿島アントラーズは、優勝に王手をかけながらも、まさかの2試合連続スコアレスドローでV逸。前半を首位で折り返し、川崎を上回る23勝を挙げ(※川崎は21勝)、33節まで首位をキープしたのに。この日は西選手が前半で負傷交代、植田選手の幻のゴールがあったり、後半も決定機で決められませんでした。連覇のプレッシャーが重かったのかもしれないな…。
その他の試合
●ヴィッセル神戸(勝ち点44)1-3清水エスパルス(勝ち点34)〇
〇ヴァンフォーレ甲府(勝ち点32)1-0ベガルタ仙台(勝ち点41)●
〇アルビレックス新潟(勝ち点28)1-0セレッソ大阪(勝ち点63)●
〇柏レイソル(勝ち点62)1-0サンフレッチェ広島(勝ち点33)●
●浦和レッズ(勝ち点49)0-1横浜Fマリノス(勝ち点59)〇
〇北海道コンサドーレ札幌(勝ち点43)3-2サガン鳥栖(勝ち点47)●
△FC東京(勝ち点40)0-0ガンバ大阪(勝ち点43)△
新潟と大宮の降格が決定したJ1残留争いは、清水と甲府がともに勝ち点3を獲得。清水は先制されながらも3点を奪い返して逆転勝ちを収め、年間14位で残留決定。甲府は後半終了間際にリンスが決勝点を挙げたものの時すでに遅し…。年間16位でJ2降格となってしまいました。新潟は4連勝で最下位を脱出し、川崎に大敗した大宮が最下位となりました。
柏レイソルは広島に勝って年間4位。来年度のACL出場権に望みをつなぎました。10年ぶりにACLを制した浦和レッズはマリノスに敗戦。リーグ戦3連敗で、クラブW杯に向かいます。