秋華賞前日の13日は、東京競馬場で古馬の牝馬重賞・第66回アイルランドトロフィー府中牝馬ステークス(GⅡ・芝1800m 11頭立て)が行われました。昨年の秋華賞馬④ディアドラ、GⅠ2勝③ソウルスターリング、今年のヴィクトリアマイルを勝った⑥ジュールポレール、その前のVM覇者⑧アドマイヤリードのGⅠ馬4頭の他に、モレイラからミルコ・デムーロに乗り替わり⑩リスグラシュー、5戦連続2着②フロンテアクイーン、前年覇者①クロコスミア、牝馬重賞3勝⑪ミスパンテールなどが参戦しました。
スタートで11頭綺麗に揃ったが、リスグラシューとディアドラは後方から。先行争いでクロコスミア、ソウルスターリング、⑤キョウワゼノビア、ジュールポレール、⑪カワキタエンカの5頭の競り合いから、カワキタエンカが抜け出して先手を取る。2番手にクロコスミア、3,4番手の位置にキョウワゼノビアとソウルスターリングが並ぶ。内側5番手にフロンテアクイーン、その外側6番手にジュールポレール、7番手⑦メイズオブオナー、その後ろでリスグラシューがミスパンテールをかわし、ディアドラもアドマイヤリードを抜いた。
3コーナーを過ぎて、先頭を行くエンカは後続に大差をつけ、前半1000mを58秒1のハイペースで通過。クロコ2番手、ゼノビア3番手、ソウスタは4番手、ジュール5番手、リスグラは7番手、ディアドラはまだ9番手の位置。前とはかなり差があるが…。
4コーナーを回って直線コースに差し掛かり、先頭のカワキタエンカはまだセーフティーリードを保ったまま。ゴール残り400mを切り、ジュールポレールが3番手から2番手に上がり、真ん中でフロンテアクイーンとリスグラシューが追い込む。残り200mでエンカと2番手以降の差が縮まり、残り100mでリスグラシューが先頭に立ったかと思いきや、大外からディアドラが強襲。ゴール前でリスグラ、フロンテア、ジュールらを一纏めにかわしてゴールイン!末脚炸裂ディアドラ、重賞2連勝を飾りました!
GⅠ級のメンバーが揃った府中牝馬ステークスは、1番人気のディアドラが豪快な差し切り勝ちで優勝しました。リスグラシューは残り100mを切ったところで先頭に立ったけど、ディアドラに抜かれてクビ差の2着。3着には7番人気のフロンテアクイーンが入りました。フロンテアは昨年9月の長岡ステークスから7戦連続で3着以内。リスグラとフロンテアはどうして2着や3着ばっかりなんだ?
ヴィクトリアマイルを勝ったジュールポレールは4着、連覇を狙ったクロコスミアは5着、大逃げを見せたカワキタエンカは6着、もう1頭のGⅠ馬・アドマイヤリードは7着、3番人気だったソウルスターリングは10着に終わりました。
ディアドラは前走のクイーンステークスに続いての重賞連勝で通算4勝目。鞍上のクリストフ・ルメール騎手は、この日4勝の固め打ちで、府中牝馬SでJRA通算900勝目を達成しました。同時に王手をかけていたミルコ騎手より先に決めましたね。序盤からリスグラシューを徹底的にマーク、残り200m時点でまだ6番手だったんですが、ゴール前で大外から一気に差し切ってみせました。
先日の毎日王冠ではアエロリットが55キロで1分44秒5のタイムを出しましたが、この日のディアドラは56キロで1分44秒7をマーク。56キロで差し切ったディアドラの方が凄いかもしれない。この後はエリザベス女王杯をステップに香港カップへと目指す予定。今の調子ならエリ女も勝てそうです。
さて、新潟競馬場では前代未聞の珍プレーが起きました。6Rのサラ系3歳以上500万円以下(ダート2500m、12頭立て)で、⑨ペイシャエリートに騎乗していた山田敬士騎手が、競走距離を誤認してしまいました。
ペイシャエリートはスタートしてすぐ先頭に立ちますが、1周目のスタンド前で山田騎手が左鞭を連発。スタンド前を過ぎたときは後続を引き離しましたが、1,2コーナーのところでペイシャエリートはレースが終わったと思い、減速して大外へ避けます。2周目の向正面でレースが続いていたことに気づいて馬群に戻り、3番手を追走。しかし、3コーナーからズルズルと後退し、最後は1着の②オワゾードールから4秒以上遅れての最下位でゴールしました。
この事態にJRAは、「山田騎手が競走距離を錯誤したことによるものであると認め、2018年10月14日から裁定委員会の議定があるまでの騎乗停止とした」と発表しました。山田騎手は14日に8鞍騎乗予定でしたが、全て乗り代わりとなりました。
かつて1993年のジャパンカップで、コタシャーンの鞍上だったケント・デサーモ騎手がゴール板を誤認する事件がありました。あれから25年後に、新人ジョッキーが距離と周回を勘違いする大失態を犯しました。2500mなのに、1人だけ1000mと勘違いしましたね。1周目のスタンド前でムチを叩きまくり、ゴール板通過後に外側に移動して減速してたもん。新人とはいえひどいですねえ。
山田敬士騎手は今年3月にデビューし、ここまで7勝をマーク。今年6月の由比ヶ浜特別ではキングクリチャンで1着になり、特別競走初勝利を飾っています。この際だから、競馬学校1年生からやり直すか、騎手免許を返納するかのどちらか選んでほしい。