どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

映画作品は原作付きありき?

2018年05月19日 19時35分00秒 | 映画
このアンケートを見て...。

その主旨は違うけど、あらためて思いましたね、映画の企画には原作がないと実現できないんだなぁと。
「シン・ゴジラ」で名を上げた樋口真嗣さんですが、TVアニメ「ひそねとまそたん」へのインタビューが印象深いです。
樋口>こういう作品は、実写(映画)だと絶対にやらせてもらえないんですよ。実写ではほぼ原作がついて、それに沿って作らなくてはならない。アニメもそういうケースが多いですけど、まだクリエイターが好きなようにやらせてもらえる余地が残っているように思います。
─それはどうしてでしょう?
樋口>世の中から決断する力が減っているからですかね。特に実写は会社というものを背負ったときに、オリジナル作品という得体の知れないものに賭けられるような担当者がいない。(TVブロス、2018年6月号より)

プロデューサー・鈴木敏夫さんも、まだ無名だった宮崎駿さんの監督作品を実現するために奔走したときのことを書いてますね。
会議に大映の人が加わって、「映画は原作のないものを作って当てるような、そんな簡単なものじゃない」と言われました。僕は頭にきましてね。宮さんに「ダメでした。原作のないものは映画化できないと言われました」と伝えたんです。そうしたら宮さんが「じゃあ、原作を描いちゃいましょうか?」と提案してきたんです。それで漫画版『風の谷のナウシカ』が生まれるんです。(映画道楽より)

原作が必要だってのなら、普通は何か良い作品はないかと探す方向に行くと思うんですが、それを創出しようという宮崎さんの力量・引き出しの豊富さが凄い!としか言いようのないエピソードです。

巨匠と呼ばれる小津安二郎・黒澤明クラスであれば、会社も信任してオリジナルを許したんでしょうけど...まぁ億単位のお金を集める(集めやすくする)には、原作(それもヒットしているもの)という担保が必要なんでしょうねぇ...。

あらためて映画と原作との相関性とか企画実現の難しさを考えさせられた次第です。